0主伐0丸太販売収入840連載経済トレンド5ha 未満20~50ha5~10ha50~100ha森林組合個人経営体地方公共団体等その他用の道を指し、林道とは、森林施業の実施に必要な路網の骨格となる道を指す。10~20ha100ha 以上民間事業体7.33.61.30.2海外の林業先進国の例伐出コスト立木価格<目指す姿>113万円 /haの黒字(万円/ha)収入44611434143経費245122 81 113200400600保育造林(注)1248市町村を対象に実施したアンケート調査結果による。未回答の2市町村を含む。(注)林業者 690 経営体を対象に実施したアンケート調査結果による。(千円/㎥)15.012.09.06.03.00.04.45.71.82.6日本の平均(年)流通コスト運材コスト8%<現在> 34万円/haの赤字1%(万円/ha)66%55%1%収入44525166%1%経費3072812%200400600補助金森林生物多様性保全農地宅地その他遺伝子保全、生物種保全、生態系保全地球環境保全地球温暖化の緩和、地球の気候の安定土砂災害防止/土壌保全森林表面侵食防止、表層崩壊防止、その他の土地災害防止、雪崩防止、防風、防雪農地・牧草地都市緑化沿岸湿地等水源涵養洪水緩和、水資源貯留、水量調節、水質浄化8060402002020(年)20212%20052%3%20106%6%20152020(万経営体)200520102015(万人)1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020(年)構造の展望(2)」所有者不明のため手入れができない森林がある20%無回答現状の経営規模を維持したい53%今も今後も発生しない10%今はないが今後発生すると思う70%経営規模を拡大したい3%林業経営をやめたい21%経営規模を縮小したい17%(出所)林野庁「森林・林業・木材産業の現状と課題」、国土交通省「令和 6 年版土地白書」、日本学術会議答申「地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的機能の評価について」、国立研究開発法人国立環境研究所「2023 年度の温室効果ガス排出量及び吸収量について」、林野庁「森林経営管理制度に係る都道府県・市町村アンケートについて」、農林水産省「令和 2 年度食料・農林水産業・農山漁村に関する意識・意向調査」30201001612(出所)林野庁「森林・林業・木材産業の現状と課題」、林野庁「令和 6 年度 森林・林業白書」、農林水産省「農林業センサス」、総務省「国勢調査」、林野庁「林業経営と林業森林2,503 万 ha(66%)その他宅地197 万 ha農地437 万 ha森林約 4,517 万 CO2 t(84%)・我が国の国土の 3 分の 2 は森林であり、世界でも有数の森林国である(図表 1)。森林は国土保全や水源涵養などといった多面的機能を有しており(図表 2)、中でも環境意識の高まりを受けた社会的要請もあり、森林が温室効果ガス削減に資する効果に期待が高まっているところである(図表 3)。そういった森林の機能を継続的に発揮させていくためには、間伐や再造林といった森林整備が必要である。・しかしながら昨今、所有者不明林の存在(図表 4)や、一定数の林業経営体が経営それ自体に消極的であること(図表 5)などにより、整備が行き届かない森林が増加しており、国土強靱化を図るうえでの障壁となっている。・我が国林業の現状に目を向けると、林業経営体数・林業従事者数は減少して推移している(図表 6、7)。林業離れの背景には、事業としての低収益性が挙げられよう。・低収益性に関して、傾斜が多い国土の性質上、林道整備が遅れているため導入機械の大規模化が進んでいないことや、個人経営体が大宗を占めており森林保有者が細分化していることなどが背景にあろう(図表 8、9)。そのため、国内の林業において、強い労働集約的性質や、管理事業者による効率的な管理が行き届いていない、といった実情がある。・海外の林業先進国と日本との、丸太 1m3 あたりのコスト構造を比較すると、上記事情を背景として、流通コスト等が収益を圧迫していることがわかる(図表 10)。・国土保全のためには、持続可能な森林経営が求められ、そのためには林業における労働生産性向上等の取組みにより、収益構造を改善していくことが重要となろう(図表 11)。(図表 4)市町村における所有者不明林の状況(2023)(図表 5)林業経営体における今後の経営規模にかかる意向(図表 10)1m3 あたりの丸太価格の内訳(図表 11)林業における収益構造の現状と目指す姿(図表 1)我が国の用地別面積割合(2020)(図表 3)温室効果ガス吸収実績(2023)(図表 6)林業経営体数の推移(図表 7)林業従事者数の推移(図表 2)森林の有する多面的機能(図表 8)路網の現状と整備の目安(万 km)(図表 9)林業経営体割合の推移大臣官房総合政策課 調査員 齊之平 大致/古川 晃久本稿では、我が国の森林や林業の実情を踏まえ、持続可能な森林経営について考える 62 ファイナンス 2025 Jul.我が国の森林我が国の林業快適環境形成気候緩和、大気浄化、快適生活環境形成保健・レクリエーション療養、保養、行楽、スポーツ文化景観・風致、学習・教育、芸術、宗教・祭礼、伝統文化、地域の多様性維持物質生産木材、食料、工業原料、工芸材料森林作業道林道等2023(注)森林作業道とは、主としてフォワーダ等の林業機械の走行を想定した森林施業2035目標 望ましい総延長20221%89%2%89%2%89%4%82%133持続可能な森林経営を考えるコラム 経済トレンド
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