+SPOT 当該内国法人の有する有形資産の額我が国を所在地国とする構成会社等の有する有形資産の額の合計×50%×50%図表 5 「国際最低課税残余額」の計算(構成会社等単位の配分計算)国際最低課税残余額とは、特定多国籍企業グループ等の国内グループ国際最低課税残余額に「一定の割合」を乗じて計算した金額をいう。<一定の割合>当該内国法人の従業員等の数我が国を所在地国とする構成会社等の従業員等の数の合計グローバル・ミニマム課税の法制化について② 国内実効税率の計算QDMTT の税額計算において基準税率との比較に用いる実効税率は「国内実効税率」と呼ばれ、「国内グループ調整後対象租税額」の「国内グループ純所得の金額」に占める割合を指す(法法 82 の 19 ②一イ(3))。ここでいう「国内グループ調整後対象租税額」とは、我が国を所在地国とする全ての構成会社等の「国内調整後対象租税額」の合計額である(法法 82 の 19②一イ(3)(i))。また、「国内グループ純所得の金額」とは、我が国に係る「国別グループ純所得の金額」(法法 82 の 3 ②一イ(1))である(法法 82 の 19 ②一柱書)。③ 我が国を所在地国とする構成会社等が負担すべき我が国に所在する構成会社等について国内実効税率が基準税率を下回り、国内グループ純所得の金額がある場合に生じる QDMTT 税額の総額が「当期グループ国内最低課税額」である(法法 82 の 19 ②一イ)。その計算方法は、IIR における当期国別国際最低課税額の計算と同様である。すなわち、国内グループ純所得の金額から、我が国に係る給与適用除外額と有形資産適用除外額を控除した値に対して、国内実効税率が基準税率 15%を下回る部分の税率を乗じることで計算する。【QDMTT における税額計算】① 我が国を所在地国とする構成会社等に係る構成会QDMTT 税額の総額の計算*16) QDMTT においては、実効税率計算に当たって日本国内の構成会社等の持分を有する他の構成会社等がCFC 税制の適用によって課されている税額が考慮されないなど、IIR と異なる取扱いが求められており、この点が、この「調整後対象租税額」から「国内調整後対象租税額」への調整過程に反映されている(法令 155 の 61 ①)。産の額に応じて配分する。計算方法の詳細は、図表 5記載のとおり(法法 82 の 11 ①)。この金額が「国際最低課税残余額」として、個々の法人 の最 終 的なUTPR 税額となる。上記②・③のプロセスにおいては、いずれも、構成会社等の有する従業員等の数と有形資産の額を参照しているが、これは、構成会社等による実体ある経済活動の行われている国や地域において、これらに所在する構成会社等の実体に応じて UTPR による課税を行わせることを趣旨とするものである。社等単位の所得金額及び税額の計算QDMTT においても、我が国を所在地国とする各構成会社等について、「個別計算所得等の金額」及び「国内調整後対象租税額」を求めることが税額計算の起点となる。「個別計算所得等の金額」については、IIR におけるのと同義である(法法 82 の 19 ②一、82の 3 ②一イ(1)及び 82 二十六~二十八参照)。また、「国内調整後対象租税額」は、IIR における「調整後対象租税額」(法法 82 三十)に一定の調整を加えた金額である(法法 82 の 19 ②一イ)*16。ファイナンス 2025 Jul. 49(注1)「従業員等の数」、「有形資産の額」の計算方法については国内グループ国際最低課税残余額におけるのと同様。(法規38の50①~③)(注2)各種投資会社等の従業員等の数及び有形資産の額は上記の計算から除かれる。(法令155の59①②)(注3)外国法人についても同様に計算する。(法令207①➁)
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