ファイナンス 2025年7月号 No.716
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 長審課SPOT 議 官総 合 政 策 局 長※2024 年 7 月時点総務グループマクロ・データ分析参事官室健全性基準室検査監理官室IT サイバー・経済安全保障監理官室金融犯罪対策室コンダクト監理官室大手銀行モニタリング室フィンテック参事官室暗号資産モニタリング室資金決済モニタリング室電子決済等代行業室金融サービス仲介業室イノベーション推進室横断的モニタリンググループ業態モニタリンググループ*4) https://www.fsa.go.jp/access/r3/219.html(出所)金融庁*4図表 5 リスク分析総括課て目鼻がついたところで改めて認可申請をすればそれで問題ないということですし、あちこちで実証実験をやって把握できなくなってしまうのも困るので、誰かはしっかり管理していてください、ということにしました。服部:今は検査局がなく、総合政策局に移したとおっしゃいました。もっとも、その後、地銀については監督局へ移すという報道がありました。*4新発田:総合政策局のリスク分析総括課には、メガバンク等の大手銀行グループのモニタリングをやっている部屋があります(図表 5 の大手銀行モニタリング室)。監督局と同様に、銀行ごとに担当を設けて、通年・専担検査という形で銀行グループの様々な課題を特にリスクという切り口から年間を通してモニタリングしています。実際には、監督局にいる同じ銀行を担当するカウンターパートとは頻繁に連絡をとり、担当役員から合同でヒアリングしたり、モニタリング結果のフィードバックには監督局も同席するなど、監督局とやっていることが重複したり、ズレたりしないようやり方は工夫しています。一方、地銀の場合は、監督局の中に地銀の検査チームが存在しています。具体的には、銀行第二課の隣にいる地域金融監理官配下の地域銀行モニタリング室が担当しています。地銀の場合には、日常的な監督事務は財務局や財務事務所が担当しているので、銀行第二課がモニタリングも含めて全体の司令塔になっています。これは、指揮命令系統が一本化されていないと混乱するからという当たり前の話です。ある地銀にとって最も大事な課題はマネロンへの対応かもしれないし、地域経済の活性化なのかもしれない。問題点を指摘するのは簡単ですが、メガバンクと同様の十分なリソースが必ずしもあるわけではなく、一遍にあれもこれも対応できるわけではありません。したがって、その金融機関をしっかり見ている人が、どこをまず直すべきなのか、何が優先的に取り掛かるべき課題なのかというのを判断しなければならないと思います。服部:金融庁のリサーチ機能についてもお聞きしたいです。財務省など霞が関全体に言えると思いますが、担当している政策が多い一方で、日銀に比べて、霞が関はリサーチという観点でいうと若干弱いという印象ももっています。日銀は「金融システムレポート」など人員も時間もかけたリサーチ・ペーパーが多いという印象ですが、いかがでしょうか。新発田:金融庁は発足当初から足元の政策課題への対リスク分析総括課 40 ファイナンス 2025 Jul.金融庁内のリサーチ機能

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