図表 1 金融行政の移り変わりへの対応(公的資金の投入)などにより、大蔵省が行ってきた金融行政に対する信頼が失われたことがあります。省庁再編の議論の中で、「財金分離」ということで、結果的には、政策金融や破綻処理制度、金融危機管理に関する企画立案機能を除き、金融制度の企画立案機能も含めて、財務省から分離されることとなりました。2001 年 1 月の省庁再編に先駆けて、2000 年 7 月に金融庁が誕生し、現在の組織の原型ができました。金融庁の仕組みが複雑だと思われるもう一つの理由として、金融庁が機能別の局編成になっていることもあると思います。先ほどお話ししたとおり、大蔵省は銀行・証券・保険という縦割りで部局が構成されていました。それが、金融庁になり、監督や検査、企画といった機能ごとに局が設置され、いわば横割りで組織を編成したという経緯があります。日本では、金融危機の原因となった不良債権問題への対応という要請から、他の国とは異なり、立入検査という広い意味ではモニタリングの一つの機能にしかすぎないものを、あえて広義の監督から括りだして独立した別組織にしたのが特徴だと思います。そこに金融庁発足時に、制度整備などを担う企画部門が合流したことで、監督・検査・企画という三つの機能を持つ組織になりました。海外では、監督・検査あわせてモニタリングと呼んでいます。モニタリングの中で、実際に金融機関に立ち入って行うものをオンサイト・モニタリング(立入検査)と呼んでいます。一方、金融機関にとって、横割りになっている金融庁のどの部局とも接点があることから、逆に金融庁の誰と話をすればよいのかがわからない、ということになってしまっては困ってしまいます。このため、基本的には金融機関とのコミュニケーションの窓口は、監督局の担当に一本化するのが通例です。これにより、金融庁のある部署の人からはこう言われたけど、別の部署の人からは違うことを言われたということが起き□□ないようにしています。 32 ファイナンス 2025 Jul.□ALWbmx□□A□□W□□$/□□□□"hwVX#%□□□^_wMNZ[n^_‘aQZd□□□MNn^_‘aQZd□□□r7yMNOPc□□□t□□\]MN8O:tRPTU□□Yq□Qe;:^_w□’()MNVX#stuMNZ[n^_‘aQZd□□□stuMN□□□□□□□wstuMN□□□□□□□w□□uMNn^_‘aQZd□□□"hw^_‘aQZd□□□%□□□MN□□w□□□MN□□w□□□□’()+,O-.r7y*□□□’()+,O-.r7yr7yJKMNOPQRSTUVXYZ[\]^_‘aQcZdefghiOPjklMNZ[nopqrstucvwyz{|}~□□□R□MN□□□□□opqz{□□jR□□|}□□□c□R□□{U□□j□□□k□□□□□□□□□SPOTMN□□□□□c□R|MNZ[ne□□klMNnop□z{□k□□□{R□□|□{□□□□□of□l□□MN□□c□□q□RPTU□□□□□lfg□jj□□□k□□□□□□nc□□R□□|□□ucvwj□□|□□|MN□□□□□c□□R□□|MNOPc□□□tQc□□ea□ !□jj□□□k□□□□uMNn^_‘aQZd□□□01□23YZX4X□*□□□’()+,O-.9= >?@ BC9= >D@ EC9= >I@ >C9= F@ ECGH9= F@ EC<9= >?@ BC9= >?@ BC<9= >?@ >DC9= >?@ >DC<9= >D@ BC9= >D@ EC<9= >I@ >C9= >I@ >C<9= >B@ IC5□6(注)金融機関の破綻処理制度及び金融危機管理に関する企画・立案等を共管(出所)金融庁
元のページ ../index.html#36