ファイナンス 2025年7月号 No.716
11/108

ファイナンス  20252025 Jul.ファイナンス差止申立制度とは、知的財産のうち、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権及び育成者権を有する者又は不正競争差止請求権者が、自己の権利を侵害すると認める貨物が輸出入されようとする場合に、税関長に対し、当該貨物の輸出入を差し止め、認定手続を執るべきことを申し立てる制度。知的財産は、特許庁に登録されている権利だけでも膨大な数があり、税関が全てを把握するのは難しい面特許権実用新案権意匠権商標権著作権回路配置利用権 IC 等の半導体の回路配置(マスクワーク)育成者権不競法による 差止請求権がある。そこで差止申立制度では、権利者から、権利が有効であることを示す資料、侵害の事実を疎明するための資料、真正品と侵害品とを区別する資料、その他取締りに有用な情報の提出を受けている。差止申立てが行われることにより、税関は提出された情報を活用し、知的財産侵害物品の効果的かつ効率的な取締りを行うことが可能になる。また、税関では、差止申立制度の積極的な活用を進めるため、権利者からの事前相談も受け付けている。権利者からの差止申立てを受けて 効率的に知的財産侵害物品を取締り主な知的財産Jul. 7 7自然法則を利用した、新規性・進歩性の ある発明物品の形状、構造、組合せに関する考案独創的で美感を有する物品の形状、模様、色彩等のデザイン商品・サービスを区別するために使用するマーク(文字、図形など)を保護通信の高度化、携帯電話の通信方式に 関する発明携帯性を向上させたベルトに取付け可能なスマーフォンカバーの形状に関する考案美しく握りやすい曲面が施されたスマートフォンのデザイン電話機メーカーが自社製品を他社製品と 区別するために製品などに表示するマーク創造性のある文芸、学術、音楽、ソフトウェアなどの著作物(著作隣接権を含む)植物の新品種周知表示を使用し、他人の商品等と混同を惹起する製品、著名表示を冒用する製品、 形態模倣品、営業秘密を侵害する製品、技術的制限手段を無効化する機器令和6年令和6年のの税関税関におけるにおける知的財産侵害物品知的財産侵害物品のの差止状況差止状況特集特集 知的財産侵害物品の差止申立制度権利者の差止申立てで知的財産侵害物品の効果的かつ効率的な水際取締りが可能に

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る