ファイナンス 2025年7月号 No.716
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連載各地の話題 [マンボウフライ定食][紀北地域のさんま寿司][七里御浜ふれあいビーチからの熊野□]〈参考文献〉東紀州(一般社団法人東紀州地域振興公社)熊野古道伊勢路(三重県地域連携・交通部)南部地域振興局(東紀州振興課)尾鷲市ホームページ熊野市ホームページ(写真)すべて筆者撮影独特の臭みが生じるため、ほぼ現地のみで消費されています。漁師さんたちが、茹でたものを味噌和えや酢味噌でいただいたというのが始まりで現在もおなじみの食べ方とのことですが、「道の駅 紀伊長島マンボウ」で食べることのできるマンボウフライも、鳥のささ身のような味で人気があります。東紀州では古くから神事やお祝いの席でさんま寿司を食べる風習があり、多くの店で提供されています。このさんま寿司ですが、紀北地域(尾鷲市・紀北町)と紀南地域(熊野市・御浜町・紀宝町)によって作り方に違いがあります。紀北地域は、さんまを腹開きにして骨と頭を取り除きます。一方、紀南地域は、さんまの尾頭を付けたまま、背開きにして骨を取り除き、紀北地域と同じように調理します。熊野市には、かつて代官所があり、腹開きは、侍の切腹を連想させることから敬遠されたため、紀南地域は背開きでつくられたそうです。なお、最近は最初から頭を除いたかたちでつくられるようになってきています。これまでの紹介により、東紀州に足を運びたいと思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。私自身、今回取材のために初めて「馬越峠」を歩きましたが、他の登山者とすれ違う際に「こんにちは」と皆さんが挨拶をしてくださいました。普段は他人とすれ違っても挨拶することもないため、とても清々しい気持ちになりました。通学路の知らない人にも挨拶していた子供のころを思い出し、気持ちよく挨拶することの大切さを改めて考える、とても良い機会となりました。これまでの紹介以外にも、高校野球ファンにはたまらない、全国の有名強豪校と熊野地方の高校が参加する「くまのベースボールフェスタ」が毎年秋に開催されています。現在アメリカで活躍する大谷翔平選手も花巻東高校在学時に参加していました。まるで甲子園かのような豪華対戦カードですので、お好きな方はこの時期にあわせて足を運んでみてはいかがでしょうか。尾鷲市ファイナンス 2025 Jul. 97(7)さんま寿司4 おわりに

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