みなさんは「斜面地」という言葉からどんな場所を思い浮かべますか?私は国有地を管理していることもあり、「角度が急な階段」「成長著しい草」「車が入らない」など、少しネガティブなイメージが湧いてきます。そんな斜面地ですが、日本の国土のおよそ 4 分の 3が山地ということもあり、日常的に目にする機会は多いはずです。また、斜面地が抱える課題を耳にすることも多くなってきたように思います。こうした中、当局は、斜面地に多くの公有地を抱える自治体と、情報共有や共通の課題について意見交換することを目的として、令和 4 年 11 月、「斜面地に所在する国公有財産に関する意見交換会」(以下「シャ活」という。)を立ち上げました。当局が管轄する地域には、北九州市、長崎市及び佐世保市といった斜面地を多く抱える都市がありますが、当局が管理する斜面地財産を見ると、「買い手が見つからない」「利活用が進まない」といった状況にあります。こうした中、これまでのシャ活を踏まえ、斜面地が抱える課題を大きく次の 3 つに整理しました。(1)管理コストの削減(2)利用困難財産の有効活用(3)空き家への対応第 1 回を北九州市、第 2 回を佐世保市で開催したシャ活ですが、第 3 回は長崎市での開催となりました。長崎市は、人口 40 万人弱の中核市であり、海と山に囲まれた坂のまちとして有名です。特に、長崎市を取り囲む山々から見る夜景は日本や世界における「三大夜景」として認定されるなど、重要な観光スポットとなっています。他方で、全国的にも目立つ転出超過の問題や斜面地における空き家増加の問題などを抱えています。さて、今回のシャ活ですが、先に述べた課題の解決に向け、民間会社等をお招きしその取組事例を紹介していただくなど、令和 6 年 11 月 5 日・6 日の 2 日間にわたり開催しました。(1)開催地、長崎市について(2)第 3 回「シャ活」の概要福岡財務支局 管財部管財総括第一課 国有財産管理官奥村 浩介ファイナンス 2025 Jun. 831.斜面地のイメージ2.当局が管轄する地域の状況3.第3 回「シャ活」開催斜面地の階段長崎市の夜景(写真提供:(一社)長崎県観光連盟)各地の話題連載各地の話題 長崎市斜面地を考える〜活用に向けた具体策〜
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