(GREENable HIRUZEN)本市は、2005 年に 9 町村の合併によって誕生しました。岡山県北部で中国山地のほぼ中央に位置し、東西に約 30km、南北に約 50km、総面積は 828km2、人口約 41,000 人の中山間地域です。市の北部は、「国立公園 蒜山(ひるぜん)」の一部であり、蒜山高原などの広大な高原地帯で、ジャージー牛などの酪農と牧歌的な高原風景を満喫できる観光リゾートの拠点となっています。また、湯原温泉や、のれんの町並みで知られる勝山町並み保存地区などの多くの観光資源があり、南部には肥沃な平坦地が広がり、農業地帯が旭川支流一帯に形成されています。市域の約 8 割を占める森林を生かしたバイオマスの利活用・林業再生のまちづくりが特徴的で、原木の生産から製材、さらには販売までの木材に関するサプライチェーンが整っており、木材製品が真庭市の製造品出荷額の 27%を占めるという、全国的にもまれに見る木材産業集積都市です。官民出資の真庭バイオマス発電所は、木材をチップ化したものを燃料とし、発電能力は 1 万 kW で、年間で約 2 万 2,000 世帯分の電力を生産しています。燃料となるチップの原料は、林地残材や製材端材であり、素材業者や製材業者から、それまでは産業廃棄物として処分されていた端材や樹皮、山に放置されていた未利用材を資源として買い取ることにより、無価値であったものが、商品として市内に還元されています。「木を使い切る」構造を創出するとともに、売電収入の一部を山主に還元し、山主の森林への関心を喚起することで、持続可能な木材産業構造の構築を目指しています。また、発電所のみで約 68,000t の CO2 削減効果が認められ、さらに発電所や集積基地などのバイオマス関連事業で雇用が創出されています。ここで発電した電力は市内の小中学校や公共施設に供給されており、環境負荷の低減と市内エネルギー自給率の向上にも寄与しています。真庭市総務部財政課 課長有富 基高ファイナンス 2025 Jun. 811.真庭市の概要2.木を使い切る(真庭バイオマス発電所)各地の話題連載各地の話題 真庭市「回る経済」
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