ファイナンス 2025年6月号 No.715
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連載PRI Open Campus 財務省図書館は国立国会図書館支部図書館としての役割を担っていますが、そもそも国立国会図書館とはどういったものかをご存知でしょうか。ここでは、国立国会図書館の概要についてご説明します。〈沿革〉・ 昭和 23 年(1948 年)に、国立国会図書館法(昭和23 年法律第 5 号)により設立されました。・ 第二次世界大戦後、国会が国権の最高機関になると、強力な調査機能を備えた議会図書館設置の要望が起こったことが背景にあり、衆・参両議院議長は連合国軍最高司令官総司令部に対し、図書館専門家の派遣を要請しました。・ その結果、昭和 22 年(1947 年)末に米国図書館使節が来日し、この使節の助言により、基本構想がまとめられ、国立国会図書館法案成立の基礎となりました。・ 国立国会図書館には、二つの源流があります。一つは明治 23 年(1890 年)に開設された旧憲法下の帝国議会に属していた貴族院・衆議院の図書館、もう一つは明治 5 年(1872 年)に設立され、行政機関である文部省に属していた帝国図書館(創立時は「書籍館」)です。これら源流となった二つの図書館の蔵書のほとんどが国立国会図書館に引き継がれています。・ 昭和 43 年(1968 年)に現庁舎である本館が完成し、昭和 61 年(1986 年)に新館を建設しました。・ 平成 12 年(2000 年)に日本で初の国立の児童書専門図書館である国際子ども図書館が部分開館し、平成 14 年(2002 年)5 月に全面開館しました。・ 平成 14 年(2002 年)10 月に国立国会図書館関西館が開館しました。〈使命〉・ 国立国会図書館法は、その前文で、「国立国会図書館は、真理がわれらを自由にするという確信に立って、憲法の誓約する日本の民主化と世界平和とに寄与することを使命として、ここに設立される」とうたっています。〈役割〉・ 国立国会図書館設立の第一の目的として、我が国の再建と国際平和に貢献するために、立法の基礎となる調査機能を備えた議会図書館として機能することにありました。国会議員の立法活動を補佐するために、国立国会図書館の全資料を背景として国政審議全般にわたる調査活動や図書館サービスを行っています。・ また、議会図書館の役割に留まらず、行政及び司法や国民に対して広く図書館サービスを行う、わが国唯一の国立図書館としても機能しています。国立国会図書館は、日本を代表する図書館として、出版文化財の保存に努めるとともに、急速に発展する情報化社会における一大情報センターとして、迅速かつ正確な情報を提供する大きな役割があります。3. 国立国会図書館支部図書館としての役割(1)国立国会図書館ファイナンス 2025 Jun. 75PRI Open Campus ~財務総研の研究・交流活動紹介~ 44

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