ファイナンス 2025年6月号 No.715
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SPOT成 6 年 1 月閣議了解)等。なお、建設省直轄工事においては、平成 5 年度に一般競争契約の試行を開始している。方式。一般競争契約のように公告や入札という手続きには依らないものの、一定の競争性を確保した随意契約の一方式。改正前改定後250 万円400 万円160 万円300 万円80 万円150 万円50 万円100 万円30 万円100 万円200 万円50 万円契約の類型第 2 号工事又は製造第 3 号財産の買入れ第 4 号物件の借入れ第 5 号財産の売払い第 6 号物件の貸付け第 7 号その他の契約29%から約 37% に増加しており、特に一般競争契約は 0.8% から 33.5%に大きく増加している。他方、少年 1 月は 125.3 と、約 1.6 倍に増加している。このたし 50 万円単位で切上げ)。具体的には、以下のとおりみが行われた*5。この結果が、件数ベースでの一般競争契約の割合の増加として表れているのであろう。金 額 ベ ー ス で 比 較 す る と、 競 争 契 約 の 割 合 は 約額随契の割合はもともと 4.3% にすぎなかったが、わずか 0.8% にまで減少している。国の調達においては、モノばかりではなくサービスも増加している。このため、サービスの価格を測る指標として企業向けサービス価格指数を複合的に採用することも考えられたが、同指数は 1985 年までしか遡ることができず、前回改定時以来の推移を追うことができない。また、実務に携わる者の実感としてサービスの調達が確実に増えているとは言えるものの、モノの調達とサービスの調達の具体的な比率や動向までは把握できていない。よって、今回の改正においては、これまで同様、企業物価指数の動向をもとに見直しを行うこととした。同指数は、前回見直しを行った 1974 年は 79.8、本め、1.6 倍を基準として引き上げることとした(ただである。なお、施行は年度初めとなる令和 7 年 4 月 1日とした。随意契約はあくまで一般競争契約に対する例外的な契約方式であり、運用を誤った場合には、契約相手方が一部の者に偏し、公平性を確保することができなくなるといった弊害が発生しうる。このため、財務省においても折に触れて適切に運用を行うよう周知を行ってきたところである。今回の見直しに当たっても、過度の事務負担を求めることなく、適切な運用を確保するため、以下を要旨とする事務連絡を発出している*6。・ 今後 3~5 年以内に少額随契を内部監査の重点監査対象とし、複数見積りを徴取しているか、不適切な分割契約がないかなどの観点から確実に監査を行うこと・ 監査の結果、特段の理由なく単一の見積りを行っていた契約や長期にわたって契約の相手方が固定されている契約等については、翌年度以降において一度は競争入札又はオープンカウンター方式*7 を実施すること・ これまで競争入札により実施してきた契約で、新たに少額随契の対象となるものについては、安易に少額随契を締結するのではなく、契約の相手方になり得る者が複数存在すると想定されるような場合には、必要に応じオープンカウンター方式等の積極的な活用を検討すること今回の見直しによってどのような影響があるのか、令和 5 年度分契約のデータを基に試算を行ってみた(図 3)。この試算を図 2 下段の令和 5 年度実績と比較すると、一般競争契約における件数ベースでの割合は約 10%ポイント(約 10 万件)も減少するが、金額ベースでの割合は 0.4%ポイント(約 600 億円)とわずかな減少にとどまる。すなわち、契約実務において公告・入札を伴う一般競争契約とこれらを要しない随意契約とは事務負担が大きく異なり、今回の見直しによって契約事務に要する作業時間を大幅に短縮できると見込まれ、事務効率(2)適切な運用の確保(3)見直しの影響(1)基準額4.今回の見直しの内容 18 ファイナンス 2025 Jun.(表 2)少額随契の基準額の新旧表*5) 「公共工事に関する入札・契約制度の改革について」(平成 5 年 12 月中央建設業審議会建議)、「公共工事の入札・契約手続の改善に関する行動計画」(平*6) 「少額随意契約等の適切な運用の確保等について」(令和 7 年 3 月 28 日財計第 1323 号)*7) 物品調達等において、発注者が見積りの相手方を特定せず、一般競争契約に準じて公募形式により広く見積書の提出を募り、契約の相手方を決定する

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