ファイナンス 2025年6月号 No.715
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SPOT た*2。少額随意契約は各省各庁の契約実務においては1947 年1948 年7 万円50 万円5 万円30 万円2.5 万円15 万円2 万円10 万円1 万円5 万円3 万円20 万円1962 年1966 年100 万円60 万円30 万円20 万円10 万円40 万円1974 年150 万円250 万円100 万円160 万円50 万円80 万円30 万円50 万円20 万円30 万円60 万円100 万円令和 7 年 3 月 25 日、予算決算及び会計令及び予算決算及び会計令臨時特例の一部を改正する政令が閣議決定され、少額随意契約の基準額等の見直しが行われ広く利用されているものの、制度としては議論の俎上に上ることは稀である。この機会に、今回の見直しの内容とともに、制度の成り立ちや利用実態についてもご紹介することとしたい。国の契約担当官等が、売買、賃借、請負その他の契約を締結する場合においては、「公告して申込みをさせることにより競争に付さなければならない」(会計法29 条の 3 第 1 項)、即ち、競争入札が原則とされている。これは、納税者である国民に対する機会均等の思想と、オープンの競争に付することにより、最も公正な処理を図り、併せて広い範囲における競争によって最も有利な価格を発見することが目的とされている。ただし、契約の性質又は目的が競争を許さない場合、緊急の必要により競争に付することができない場合及び競争に付することが不利と認められる場合においては、随意契約によるものとされている(会計法第29 条の 3 第 4 項)。また、契約に係る予定価格が少額である場合その他政令で定める場合においては随意契約によることができる(同条第 5 項)。いわゆる少額随意契約(以下「少額随契」)は後者に基づいて行われるものであり、予算決算及び会計令(以下「予決令」)第 99 条第 2 号から第 7 号の各号において、以下のように契約の種類別に基準額が定められていた。二 予定価格が 250 万円を超えない工事又は製造をさせるとき三 予定価格が 160 万円を超えない財産を買い入れるとき四 予定賃借料の年額又は総額が 80 万円をこえない物件を借り入れるとき五 予定価格が 50 万円を超えない財産を売り払うとき六 予定賃貸料の年額又は総額が 30 万円を超えない物件を貸し付けるとき七 工事又は製造の請負、財産の売買及び物件の賃借以外の契約でその予定価格が 100 万円を超えないものをするとき(1)競争入札の原則と随意契約1.はじめに2.国の契約制度ファイナンス 2025 Jun. 15主計局法規課長 小澤 研也(表 1)少額随契の基準額の推移(※今回の見直しに至る経緯)第 2 号工事又は製造第 3 号財産の買入れ第 4 号物件の借入れ第 5 号財産の売払い第 6 号物件の貸付け第 7 号その他の契約*1) 本稿中の意見に係る部分は筆者の個人的見解であり、筆者の所属する組織の見解を表すものではない。*2) この見直しに当たっては、財政制度等審議会法制・公会計部会に諮問して議論を行った。資料と議事録は以下の URL に掲載している。 https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings_pf/index.html少額随意契約の基準額の見直しについて

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