ファイナンス 2025年5月号 No.714
84/112

第63回 宮崎県都城市第63回 宮崎県都城市これむねただひさかんまちなかまち上町銀行街集客拠点は百貨店から図書館へ集客拠点は百貨店から図書館へ 80 ファイナンス 2025 May.2,210C2,160C2,240C2,100C1,720C1,550C1,500C1,130C1,150C340D400D970C870C290D270D275D2,350C2,390C610C550C540C600C1,430C420D900C390D400D390D410D870C390D850C2,900C2,550C2,600C2,430C660C630C2,310C650C1,900C1,500C420D410D400D400D420D410D440D540C470D470D1,570C560C510C320D1,560C570C1,380C810C1,410C360D490D360D255E560C610C1,650C1,620C620C1,730C1,520C1,510C400D1,200C370D400D1,090C320D320D1,080C870C730C500D275D510C240E295E都城は日向国に属するが、鎌倉時代から島津家の影響下にあった。源頼朝に島津荘の下司職に任命されたが、任地から取って島津を名乗ったのが始ま惟宗忠久44肥おび町町連載路線価でひもとく街の歴史りだ。家祖忠久が荘園管理のため館を構えたことから都城は島津家発祥の地と言われる。その後、島津家は本拠を鹿児島に移し、都城は分家が治める地となった。拠点の山城「都城」が地名の由来である。山城は徳川の治世の一国一城令で廃止され、現在の市役所、明道小学校の場所に領主館が置かれた。寛文3年(1663)に都城島津家が立ち上がり、幕末まで統治した。明治4年(1871)11月、廃藩置県に伴う再編で、現在の宮崎県南部と鹿児島県の大隅半島を合わせた都城県が置かれた。県庁所在地は都城で旧領主館の一部が県庁となった。明治6年(1873)の再編で現在の県域とほぼ同じ宮崎県ができたが人口は40万人を下回り、明治9年(1876)8月に鹿児島県に編入された。ほどなくして勃発した西南戦争の戦中、戦後の独立運動を経て明治16年(1883)5月9日に宮崎県が再生するまで、都城は鹿児島県の街だった。領主館とともに城下町が造成された。領主館からまっすぐ北上する道がメインストリートで、手前から広小路、本町、唐人町と区分された。明治になると本町は上に、唐人町は中宮崎県統計書に記載がなく、明治時代の最高地価地点は判然としないが、大正15年(1926)、大蔵省土地賃貸価格調査事業報告書において都城市の最高地価は上町だったことから、近代を通して上町が中心だったと思われる。大正時代、現在の宮崎銀行、鹿児島銀行のそれぞれ前身行が上町に移転してきた。都城で初めての国立銀行は鹿児島銀行の前身、第百四十七国立銀行である。都城の租税出納を担う大蔵省為替方本店として明治12年(1879)9月に開業した。明治9年(1876)8月の国立銀行条例の改正を契機に国立銀行の創業ブームが起き、明治12年12月開業の第百五十三国立銀行で終了する。この間、宮崎県はなく、鹿児島県の宮崎地域崎地区にはブーム最終年の明治12年、第百四十四国立銀行が飫岡で創業した。1つおいて第百四十七国立銀行が鹿児島にできた。都城でも国立銀行の設立の動きがあったが実現せず、私立銀行として「都城銀行」が創設されたが後に破たんした。宮崎地区を含む当時の鹿児島県は約120万人で全国6位、鹿児島は九州で最も人口が多い都市だった。県都鹿児島は既に第五国立銀行が地盤を築いており、第百四十七国立銀行は宮崎地域に活路を見出す。都城には明治28年(1895)に出張所を開設、後に支店となった。大正元年(1912)末時点でも鹿児島県内には本店のみで、東京、大阪、宮崎、都城、沖縄に支店を展開していた。なお都城支店は大正3年(1914)6月、上町に新築移転する。次は現在の地域一番行の宮崎銀行をふりかえる。県都に本店を構える宮崎県のメインバンクとしての源流は明治33年(1900)設立の日州銀行にさかのぼる。それまで今でいう指定金融機関、当時の県金庫を担っていたのは第百四十七国立銀行の後身、第百四十七銀行だった。県が道路事業にかかる資金調達を第百四十七銀行に打診したところ不調に終わる。これがきっかけとなり当時の県知事の提唱で設立されたのが日州銀行だ。県本金庫は同行が担うことになった。都城には支店が置かれ、同じく県支金庫を担うことになった。次の課題は県内の小規模行の統合による規模拡大だった点に留意されたい。宮(日南市)に、第百四十五国立銀行が延に改称した。路線価でひもとく街のの歴史歴史路線価でひもとく街

元のページ  ../index.html#84

このブックを見る