ファイナンス 2025年5月号 No.714
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2023201820132008200319981993198819831978000連載経済トレンド 無回答(%)(万戸)60040020016.2 2324日本アメリカイギリスフランス既存住宅取引戸数無回答(0.8%)顧客が希望しないのであっせんしない(19.6%)顧客が希望した場合のみ対応(48.7%)242523.7 26.2 23.6 19.0 13.612.912.212.212.05.927.8 20%0%知っている知らない、聞いたことがない(%)100.082.4 74.5 74.3 75.050.025.00.0新築住宅着工戸数既存/全体(既存+新築)取引全ての取引にあっせん・推奨している(8.3%)できるだけあっせんに努めている(22.6%)40.0 39.6 33.132.935.9 41.0 25.0 38.638.247.140%100%名前だけは聞いたことがあるが、どのようなものか知らない80%60%20232022202120202019集合住宅戸建住宅28.029.1140130120110100908037.737.567.569.6406080(%)20151660%80%100%(万円)5,5005,0004,5004,0003,5003,0002,50060%80%100%2015(%)14.0空き家の種類12.0賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家10.0賃貸用の空き家新築・中古を問わず、賃貸のために空き家になっている住宅売却用の空き家新築・中古を問わず、売却のために空き家になっている住宅8.06.0二次的住宅4.02.00.0空き家率(年)和歌山県徳島県山梨県鹿児島県高知県*全国リフォームされてきれいだったから新築住宅にこだわらなかったから予算的にみて中古住宅が手頃だったから20(中古集合住宅)令和元年度0%20%40%73.3令和5年度78.9(中古戸建住宅)令和元年度0%20%40%66.8令和5年度73.6今回が初めて2回目その他(3回目以上、無回答)(出所)国土交通省「令和5年度住宅市場動向調査報告書」、「既存住宅販売量指数」、「令和5年度住宅経済関連データ」、東日本不動産流通機構「月刊マーケットウォッチ」、全国宅地建物取引業協会連合会「既存住宅流通の現状と課題について」(万戸)1,000800600400200二次的住宅売却用の空き家賃貸用の空き家賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家空き家率(右軸)賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家率(右軸)(注)1978年から1998年までは、賃貸用の空き家に売却用の空き家を含む(出所)総務省「令和5年住宅・土地統計調査住宅数概数集計(速報集計)結果」、国土交通省「我が国の空き家の現状と最新の政策動向について」、「土地問題に関する国民の意識調査」戸建住宅マンション(区分所有)(2010年平均=100)171819202122成約価格在庫価格1617181920212223説明賃貸用の空き家、売却用の空き家及び二次的住宅以外の人が住んでいない住宅で、例えば、転勤・入院などのため居住世帯が長期にわたって不在の住宅や建て替えなどのために取り壊すことになっている住宅など(注:空き家の種類の判断が困難な住宅を含む。)別荘週末や休暇時に避暑・避寒・保養などの目的で使用される住宅で、ふだんは人が住んでいない住宅ふだん住んでいる住宅とは別に、残業で遅くなったときに寝泊まりするなど、たまに寝泊まりしている人がいる住宅その他賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家率21.2鹿児島県21.220.5高知県徳島県20.4愛媛県20.3和歌山県13.8*全国空き家にしておく(28.0%)セカンドハウス(18.1%)ファイナンス 2025 May. 79・新設住宅価格の高騰が続く中、相対的に安価な中古住宅への需要が高まっている。国土交通省の調査によれば、中古住宅を選択した理由として「予算的にみて中古住宅が手頃だったから」の回答割合が最も高く(図表10)、中古住宅において一次取得者(今回の住宅取得が初めて)の割合が高まっている(図表11)。・需要の高まりを受け、中古住宅販売量は緩やかな増加傾向にある(図表12)。中古マンション価格も上昇が続いており、成約価格と在庫価格の乖離からは、新築住宅より相対的に安い中古住宅の高価格帯が取得されていると推測される(図表13)。・新築志向の和らぎの中で中古住宅市場の活発化がみられるが、国際的には日本における中古住宅の流通シェアは依然として低い(図表14)。各国とは税制や規制など政策面の違いはあるものの、日本の中古住宅の活用余地は大きく、品質を明らかにし消費者の安心につなげることで流通促進を図る建物状況調査(インスペクション)の普及や(図表15)、高齢化・人口減少の中で増加傾向にある空き家の活用などが期待される。(図表10)中古住宅にした理由 (令和5年度、複数回答、上位)(図表11)住宅取得回数・空き家数は2023年に900万戸と過去最高となり、空き家率(総住宅数に占める空き家の割合)も13.8%と過去最高となった。内訳として、特に「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家(385万戸)」が増加傾向にあり(図表16、17)、空き家率を都道府県別にみると、西日本を中心に地方で高い傾向にある(図表18)。・空き家の放置は景観・環境悪化、災害・犯罪リスクなど様々な問題を引き起こす要因となり得る。適切な管理・除却・利活用に向けては、利活用意識の向上や、利活用促進を目的とする空き家バンクの認知度の低さが課題の一部にある(図表19、20)。・空き家問題の背景には、日本人は住宅へのこだわりが強いことと、ライフステージに適した住宅は異なる中で、住宅新設の際に住み替えがあまり考慮されてこなかったことによって、増加している空き家物件のスペックと、需要者のニーズにミスマッチが生じている。「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」のように、既存の団地の躯体と敷地を生かして自由度の高い住まいを実現する例などが注目される。・空き家の抑制やスムーズな除却、利活用のためには、相続登記の義務化等による所有者把握や略式代執行等の法的手続きの円滑化を進め、「空家等活用促進区域」の指定など、自治体による地域単位での集中的な対応が重要になると考える。(図表16)空き家数及び空き家率の推移(注)文中、意見に関る部分は全て筆者の私見である。(図表13)首都圏中古マンション価格の推移(図表18)空き家率上位の都道府県(2023年)(図表14)既存住宅流通シェアの国際比較(2023年)(図表15)建物状況調査に係る調査業者のあっせんについて(令和6年4月、n=398)(図表19)空き家の将来の利用意向(n=3,912)不明・不詳、その他(18.1%)賃貸(5.3%)取り壊す(13.2%)売却(17.3%)(図表20)空き家・空き地バンクの認知度(図表12)中古住宅販売量の推移(図表17)空き家の種類と説明コラム 経済トレンド 131空き家の動向中古住宅市場の動向

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