ファイナンス 2025年5月号 No.714
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10012000SPOT率比%(2率)3%比()21率%()12%)10014202120202029102510241021102010290028002700260025002420232022202120202029102810271026102510241023102210211020102900280027002600250020図8 設備投資比率の実績と推定値の比較(非製造業、中堅)◆図8◆図644◆図843◆図5比34率比(率比%(率)%比()率%()%)4図9 設備投資比率の実績と推定値の比較(非製造業、中小)◆図9◆図6434比率(比%率)比(率%()%)比率(%)32232112比率(%)32321211023110022実績678111000222自社不明23220022設備不明参考文献土 屋 宰貴(2021), 近年における中小企業の設備投資:資金繰りや信用保証の視点から, 日本銀行ワーキングペーパーシリーズ, No.21-J-14.当大臣報告)―動き始めた物価と賃金―.経済新聞社.公庫論集」, 第64号, pp.1-25. 56 ファイナンス 2025 May.内 閣府(2023), 令和5年度 年次経済財政報告(経済財政政策担花 崎 正晴, 羽田 徹也 (2017), 企業の投資行動の決定要因分析―投資の多様化の進展と内部資金の役割―, 財務省財務総合政策研究所「フィナンシャル・レビュー」, 通巻第132号, pp.56-80.藤 谷 涼祐, 服部 正純, 安田 行宏 (2022), 経済政策の不確実性と企業行動−先行研究のレビューと日本企業の投資行動の検証−, 一橋大学経済研究所「経済研究」, Vol.73, No.4, pp.289-305.福 田 慎一(2017), 企業の資金余剰と現預金の保有行動, 財務省財務総合政策研究所「フィナンシャル・レビュー」, 通巻第132号, pp.3-26.増 田 公一(2020), 日本企業における現預金の保有に関する一考察―近年の実証研究のサーベイ―, 「千葉経済論叢」, 第63号, pp.63-79.森 川 正之(2022), コロナ危機と企業のナイト流不確実性, RIETI Discussion Paper Series, 22-J-029.森 川 正之(2025), 不確実性と日本経済 計測・影響・対応, 日本山 口 洋平(2024), 中小企業を取り巻く不確実性, 「日本政策金融R. Bachmann, K. Carstensen, S. Lautenbacher, M. Schneider (2020), Uncertainty is more than risk – Survey evidence on Knightian and Bayesian firms, unpublished manuscript.F. Knight (1965), Risk, uncertainty and profit, Harper Torchbooks, New York.C. F. Manski (2018), Survey measurement of probabilistic macroeconomic expectations:Progress and promise, NBER Macroeconomics Annual 2017, pp.411-471.M. Morikawa (2018), Measuring firm-level uncertainty:New evidence from a business outlook survey, RIETI Discussion Paper Series, 18-E-030.M. Morikawa (2021), Uncertainty of firmsʼ economic outlook during the COVID-19 crisis, RIETI Discussion Paper Series, 21-E-042.5 まとめと展望実績自社不明実績自社不明設備不明実績自社不明実績自社不明設備不明自社不明実績自社不明設備不明実績自社不明自社不明実績実績自社不明自社不明設備不明設備不明設備不明設備不明設備不明設備不明設備不明◆図9実績実績00便なものであり、結果の解釈にあたっては留意が必要であるが、それらは今後の検討課題にもつながるものである。まず、今回は6部門に分割しているが集計値による分析であり、業種による違いなどは分析できていない。個票データによる詳細な分析が有用であろう。また、不確実性指標以外の変数については有意でないものもあり、特に不確実性が現金・預金比率など他の企業行動に与える影響についての検討は分析の精緻化に資すると考えられる。国内と自社の景況感の不確実性の間にはマクロレベルで強い相関があるが、今回の分析では違いが見られなかったものの、個別企業レベルでは設備投資への影響は異なっているとの指摘もあり(森川(2022))、この点を更に分析することは昨今の不確実性の高まりの影響を把握する上でも有益であろう。(2022)の結果と整合的である。このことは、設備投「不明」の割合は、貴社の景況に対する「不明」の割2つの効果は認められなかった。これは、非製造業の本研究では、統計の公表値を利用した分析を行ったが、集計値レベルであっても、自社の景況感における先行きの不確実性は、設備投資を抑制しうる可能性が示唆された。この結果は、個別企業レベルでも自社の景況感の先行き不確実性は当該企業の設備投資を抑制する傾向があるという、Morikawa(2018)及び森川資を促進する観点からは、企業の間の先行き不透明感を少しでも抑制することが重要ということを意味している。また、生産・販売などのための設備に対する合よりも低いものの、両者はほぼ同様の動きを示しており、前者の拡大も設備投資を抑制する効果を有することが示唆された。一方、不確実性の影響の部門毎の違いについては、非製造業の中堅・中小企業では上記中堅・中小企業の投資額や頻度が他の部門に比べて少ないことにより、不確実性の変化の影響を受けにくいことを反映している可能性がある。最後に今後の課題について述べる。今回の分析は簡

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