1.令和7年度社会保障関係費の全体像2.令和7年度薬価改定3.こども・子育て政策の抜本強化令和7年度予算特集:4特 集 ファイナンス 2025 May. 23(1)「加速化プラン」の本格実施令和7年度の社会保障関係費(政府案)は、前年度当初予算(377,193億円)から+5,585億円の382,778億円となった。経済・物価動向等に適切に配慮しつつ、骨太方針2024を踏まえ、社会保障関係費の実質的な伸びを高齢化による増加分におさめるとの方針に沿った姿を実現している(いわゆる自然増(経済・物価動向等への配慮を含む)は+6,500億円程度、制度改革・効率化等は▲1,300億円程度、消費税増収分を活用した社会保障の充実等は+300億円程度)。その上で、高額療養費制度について、衆議院における予算修正により55億円増額、参議院における予算修正により105億円増額され、前年度当初予算額に対して5,745億円(1.5%)増の382,938億円となっている。令和7年度薬価改定については、「令和7年度薬価改定について」(令和6年12月20日内閣官房長官、財務大臣、厚生労働大臣合意)に基づいて実施する。改定の対象品目については、国民負担の軽減はもとより、創薬イノベーションの推進や医薬品の安定供給の確保の要請にきめ細かく対応する観点から、品目ごとの性格に応じて、対象範囲を設定することとする。具体的には、平均乖離率5.2%を基準として、新薬創出等加算対象品目、後発医薬品についてはその1.0倍、新薬創出等加算対象品目以外の新薬はその0.75倍、長期収載品はその0.5倍、その他医薬品はその1.0倍をそれぞれ超える医薬品を改定対象とする。薬価改定基準の適用についても、創薬イノベーションの推進、医薬品の安定供給の確保、国民負担の軽減といった基本的な考え方を踏まえ、追加承認品目等に対する加算を臨時的に実施するほか、安定供給確保が特に求められる医薬品に対して、臨時的に不採算品再算定を実施するとともに、最低薬価を引き上げる等の対応を行う。併せて、今回の改定に伴い新薬創出等加算の累積額については控除する。この結果、令和7年度において、薬剤費2,466億円(国費648億円)の削減とする。「こども未来戦略」(令和5年12月22日閣議決定)を踏まえ、令和6年通常国会において、改正子ども・子育て支援法など所要の法改正が成立。令和7年度予算においては、歳出改革や既定予算の最大限の活用により財源を確保しつつ、「加速化プラン」を本格的に実施し、予算規模3.6兆円(国・地方合計)のうち3.0兆円程度(8割強)を実現。令和7年度から、こども家庭庁の下に、子ども・子育て支援特別会計を創設。既存の年金特別会計子ども・子育て支援勘定及び労働保険特別会計雇用勘定(育児休業給付)を統合し、こども・子育て政策の全体像と費用負担の見える化を進める。ア 児童手当の抜本的拡充の満年度化1兆708億円(拡充分)(総額:2兆1,666億円)★(一部、事業主拠出金)令和7年度 社会保障関係予算のポイント主計局主計官(厚生労働、こども家庭係、社会保障総括担当) 大来 志郎主計局主計官(厚生労働係担当) 末光 大毅
元のページ ../index.html#27