ファイナンス 2025年5月号 No.714
15/112

申告期限相続・贈与 等 非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予(法人版 事業承継税制)エンジェル税制の拡充:再投資期間の延長◼後継者の死亡◼更なる後継者への贈与◼経営環境が悪化した場合の株式の譲渡※下線部は、10年間の特例措置で拡充されている部分後継者の死亡等株式等の保有継続等株式等の譲渡等譲渡等した株式等に対応する税額を納付注2X+1年スタートアップへの再投資②猶予税額の免除ファイナンス 2025 May. 11事業の継続要件を満たさなくなった場合全額納付注2繰戻し還付X+1年中の再投資については、X年に遡って②を控除し、還付特例承継計画の提出【改正後】贈与の直前において役員であること※個人版事業承継税制の 事業従事要件についても 同様の見直し売却益X年末時点では、X年の売却益から①のみを控除令和7年度税制改正(国税)等について・・・新たに創設令和7年度予算特集:4特 集 資料11資料12【課題】○令和5年度改正で、株式譲渡益を元手にしたスタートアップへの再投資等に対する非課税措置を創設。○しかし、再投資等に対する優遇措置の適用を受けるには、株式譲渡益発生年内(最大1年間)にスタートアップへの再投資等を行う必要があったが、最大1年間という再投資期間では新たな再投資先を見つけることは困難であるという課題があった。【対応】○譲渡益発生年の翌年にスタートアップ投資等を行った場合に、譲渡益発生年に遡って投資額に相当する金額を譲渡益から控除する繰戻し還付制度を創設し、再投資期間を延長する。○繰戻し還付制度は、暦年課税の例外となる異例の措置であるが、事業リスクが高く、資金調達環境が極めて厳しい状況にある創業初期のスタートアップに限った支援として措置するもの。1/1・会社の代表者であることなど令和8年3月31日までに特例承継計画を都道府県に提出5年間◼代表者であること◼株式等の保有継続◼雇用要件(弾力化注1) 等 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律に基づく関与都道府県知事の認定会社、後継者(3人まで)に関する要件の判定 ・贈与の日までに役員就任から3年以上経過していること申告・担保提供取得した株式等の100%に対応する相続税・贈与税の納税を猶予X年(株式譲渡益発生年)スタートアップへの再投資①○中小企業の経営者の死亡に伴う株式の分散の防止や相続時の税負担に対応することで、事業承継の円滑化を通じた雇用の確保、地域経済活力の維持や生前贈与による事業承継を促進する観点から、中小企業の先代経営者から 後継者がその会社の非上場株式等を相続・贈与により取得した場合には、その非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税を猶予(後継者の死亡等の場合に免除)○平成30年1月~令和9年末までの10年間の特例措置として、従来の制度を抜本拡充12/3112/31(注1)経営状況の悪化等を理由に、5年間の平均が8割を満たせなかった場合には、認定支援機関の指導助言を受けることが必要となる。(注2)猶予税額の納付に併せて利子税を納付。利子税の割合(措置法の特例適用後)は、現在年0.4%。(参考)本措置を利用した場合、当初の5年間は毎年、5年経過後は3年に1回、継続届出書を税務署へ提出することとされている。

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る