100 ファイナンス 2025 May.奇岩遊仙境(きがんゆうせんきょう)山代温泉古総湯超大型油圧ショベル「PC4000」と超大型ダンプトラック「930E」各地の話題連載各地の話題加賀温泉郷製造業山中、山代、片山津及び粟津の4温泉は全国でも有数の温泉郷を形成しており、さらりとした泉質は、体の芯までしみわたり身も心も潤します。清らかな大聖寺川の渓谷沿いに純和風の旅館やホテルが並ぶ「山中温泉」は、開湯1,300年を誇り、「扶桑三名湯」と称して愛した松尾芭蕉をはじめ、古くから多くの文人墨客たちが訪れたそうです。景勝地「鶴仙渓」は四季折々の風情あふれる自然美だけでなく、川床では、山中出身の料理人「道場六三郎」氏レシピのスイーツが堪能できます。三本足のヤタガラスが発見された伝説が残ることから、ヤタガラスが温泉のシンボルマークとなっている色濃く残っており、「総湯」と呼ばれる共同湯場を中心に温泉宿や商店が立ち並ぶ「湯の曲輪(ゆのがわ)」という街並みが今なお残されています。時間や天候の移ろいにより、日に七度色を変えると言われる柴山潟湖畔にある「片山津温泉」は、潟の水面に水鳥が群れていたことから湖底の温泉を発見したと伝えられています。使用松材三万本、埋立面積一町歩に及ぶ大規模な埋立工事により、ようやく人々が温泉入浴できるようになったそうです。文武天皇の勅使として鎮護国家の法師となった泰澄大師によって開湯した「粟津温泉」は、加賀藩三代藩主・前田利常にも愛され、那谷寺への参拝に訪れた際に、粟津に立ち寄り植えたと伝えられている黄門杉が今も温泉街を見守っています。北陸新幹線の小松駅を下車すると、超大型ダンプトラック「930E」と超大型油圧ショベル「PC4000」がすぐそばに鎮座しています。小松市は、産業機械の世界的トップメーカーである(株)小松製作所(本社:東京)創業の地です。世界最高水準の建設機械メーカーが求める多種多様な部品を供給するために技術力を磨いた協力企業などによって、小松市とその周辺には機械産業を中心とした産業クラスターが形成されました。一方、地域の産業集積と技術力により隣接分野に新たな製造業も発展し、日本一のシェアを誇るパーティションメーカー、世界的な電子部品メーカー、日本有数のバス製造メーカーやそれらの関連企業が立地するなど、日本海側でも有数の産業集積が広範に進んでいます。「山代温泉」は、加賀の中でも昔ながらの温泉文化が
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