ファイナンス 2025年5月号 No.714
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弁慶と義経、関守富樫の銅像庁舎から見た白山はじめに安宅の関那谷寺ファイナンス 2025 May. 99小松税務署 総務課長岩本 逸郎小松税務署は、石川県の南部に位置する小松市、加賀市、能美市、能美郡川北町の3市1町(南加賀と総称されます。)を管轄し、明治29年11月に設置されました。東には日本三名山の一つである「霊峰白山」がそびえ、その裾野には緑の丘陵地、そして田園、平野が広がり、西の日本海に面しています。税務署が入居する小松日の出合同庁舎の7階ランチルームからは、白山山系が一望でき、冬の晴れた日は、冠雪した白山山系と青い空とのコントラストが最高です。「安宅の関(あたかのせき)」は、歌舞伎十八番の内「勧進帳」の舞台として知られています。日本海を臨む松林の中にひっそりと関址の石標が立ち、弁慶と義経、関守富樫の銅像が潮風を受けて訪れる人に往時のロマンを語っています。近くの「安宅住吉神社」には「全国唯一の難関突破の守護神」が祀られ、関所を突破した義経一行にあやかって人生の様々な難関を乗り越えるため、御祈願やお守りを受けようと、全国から毎日多くの人が参拝に訪れます。那谷寺は養老元年(717年)に白山を開いた泰澄大師が岩窟に千手観音を安置したのが始まりと伝えられる真言宗の名刹です。当時は「岩屋寺」と呼ばれていたそうですが、平安時代に花山法皇が参詣した際に、「私が求めている観音霊場三十三ヶ所はすべてこの山にある」と言われ、西国三十三所一番の「那智」と三十三番の「谷汲」の山号から一文字ずつ取り、「那谷寺」と改名されたそうです。悠久なる時を経て形成された「奇岩遊仙境(きがんゆうせんきょう)」や阿弥陀三尊をあらわす「三尊石(さんぞんせき)」などが境内に広がり、自然の雄大さを感じさせる景色を俳聖・松尾芭蕉が褒め称え、「石山の 石より白し 秋の風」の名句を残しています。文化、自然、産業など、バランスが取れた街【南加賀】南加賀各地の話題連載各地の話題

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