ファイナンス 2025年5月号 No.714
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連載各地の話題富山市 98 ファイナンス 2025 May.富山ブラック【写真提供:富山市観光協会】ます寿司【写真提供:(公社)とやま観光推進機構】白エビ昆布〆【写真提供:(公社)とやま観光推進機構】おわりに[昆布〆(こぶじめ)][ブラックラーメン]で良質な米が育ち、新鮮な魚との相性も抜群です。駅弁でも有名な「ます寿し」は、市内に数多くのお店があり、その味付けや製法の違いから、市民にはそれぞれお気に入りがあります。富山の寿司を是非とも富山の地酒と一緒に召し上がって下さい。国内で採れる「昆布」はそのほとんどが北海道産であるにもかかわらず、「昆布」の採れない富山市は、昆布の年間消費量がトップクラスです。その理由の一つは、海上交通が盛んになった江戸時代に遡ります。当時、富山(越中)は北前船の重要な寄港地の一つであり、運ばれてきた「昆布」が食生活に馴染んでいったのではないかと言われています。富山湾で採れた新鮮な魚の刺身を昆布で挟んだ「昆布〆」は、昆布の旨味が魚に染み込み、その身は熟成されるなど美味しさが加味されます。富山市民が「サス」と呼ぶカジキが定番ですが、タイやヒラメなどの白身魚のほか、富山名産の白エビの昆布〆も好評で、スーパーや飲食店、お土産などでその味を堪能することができます。富山を代表する知名度を誇るご当地ラーメンといえば、「富山ブラック」ではないでしょうか。そのルーツは、1950年代に富山市内の復興事業などに従事していた肉体労働者の塩分補給などを目的として、醤油を濃くしたラーメンが作られたことにあると言われています。その当時、白飯を持ち込んでラーメンをおかずとして食べるスタイルが定着し、現在でも、ラーメンとライスをセットで注文するお客が多いです。醤油の濃度が濃く黒っぽい見た目のスープが特徴で、そこから「富山ブラック」と呼ばれるようになりました。麺は太麺で、大量の粗挽き胡椒がかけられていることが一般的です。富山市は、今年ニューヨーク・タイムズが発表した「2025年に行くべき52か所」の一つに選定されるなど、全世界から大注目の地方都市です。美しい自然と伝統文化、美味しい料理を育んできた、レトロで新しいAMAZINGな街でTOYAMAの「本気」を体験してください。

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