ファイナンス 2025年4月号 No.713
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名連載各地の話題 4.舞洲・夢洲について5.大阪・関西万博について大阪市此花区舞洲全景 提供:大阪港湾局夢洲全景 提供:大阪港湾局傾向へと向かい、此花区に限らず大阪湾ベイエリア一帯を占める工場地帯には広大な遊休地ができました。折しも、ユニバーサル・スタジオの日本進出が検討されており、1990年、大阪市が此花区西部臨海地域の遊休地に誘致を開始、1994年、この地域へのユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の進出が決定し、その後、建設が進められ、2001年3月31日にオープンしました。これにより、此花区は工業地域から集客地域へと大きく変化したと考えられます。此花区の西側の大阪湾に所在する舞洲・夢洲は、1970年代から廃棄物・浚渫土砂・建設残土等の処分場として埋め立てが開始され、これにより作られた人工島であり、埋め立て後、土地造成事業が行われてきました。1980年代には、舞洲・夢洲等の人工島を活用し、国際交易・技術・情報などのサービス拠点や文化・レクリエーションゾーン、住宅などを整備し、居住人口6万人、昼間人口20万人の臨海新都心を作ることを構想とする「テクノポート大阪」計画が打ち出されましたが、バブル崩壊などの理由により実現には至っていないようです。1990年代には、舞洲をメイン会場、夢洲を選手村の候補地として、2008年の夏季オリンピックの誘致が進められましたが、最終的には中国・北京が開催都市に決定され、大阪での開催は実現しませんでした。その後、2014年から国際博覧会の大阪への招致活動が開始され、2016年6月、夢洲を会場候補地とすることを決定のうえ、誘致活動が行われ、2018年11月24日、夢洲を会場として2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)が開催されることが決定しました。なお、舞洲については、オリンピック誘致を機に、島の西側に野外活動施設、野球場、運動広場、多目的ホール等の大規模なスポーツ・レクリエーション施設の整備が進み、大阪エヴェッサ(Bリーグ)、オリックス・バファローズ(NPB)、セレッソ大阪(Jリーグ)などのプロスポーツチームが活動の拠点とするとともに、大規模な音楽フェスが行われる等、新たなスポーツ・レクリエーション拠点として注目を集めています。また、夢洲については、島の東側に物流拠点の整備が進められ、2009年から大水深(15m)の連続バースを有する高規格コンテナターミナルの供用が開始されており、大阪港の国際物流機能の中心的役割を担っています。【開催概要】テーマ: いのち輝く未来社会のデザインサブテーマ: Saving Lives (いのちを救う)、称: 2025日本国際博覧会(略称「大阪・関西万博」)(Designing Future Society for Our Lives)Empowering Lives (いのちに力を与える)、Connecting Lives (いのちをつなぐ)ファイナンス 2025 Apr. 79

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