2018202420122000200619941982198819761964197019581946195219401928193419221910191619042019201520112003200719991995199119831987197919751967197119631959195542023420224202142020経営費粗収益経営費粗収益経営費粗収益経営費粗収益経営費粗収益0000010連載経済トレンド(千億円)12010080604020(出所)農林水産省「生産農業所得統計」、「農林業センサス」、総務省「世界の統計2025」、農林水産政策研究所「農業法人の持続可能性と価値創造プロセスの解明」均衡価格▲1.0▲3.01898(注)平均気温の基準値は、1991~2020年の平均値(出所)三菱総合研究所「農産物の価格はなぜあげられない?(前編)」、気象庁、農林水産省「農業物価統計調査」、「肥料を巡る情勢」、「営農類型別経営統計」(%)10090807060500%40302010(年)(2020=100)17015013011090その他15%中国25%マレーシア60%(注)構成比は2021年7月~2022年6月における数量ベース(%)10050201520202015→20202010→20152040共済・補助金等受取金作物収入等農業所得減価償却費荷造運賃手数料農薬衛生費肥料費種苗費雇人費その他施設野菜作果樹作インドドイツフランスイタリアイギリス米国中国日本インドドイツフランスイタリアイギリス米国中国日本430(注)耕地総面積は耕地面積と永年作物地の和。 割合は総耕地面積を陸地面積で除して算出。12%耕種農業総産出額畜産生産農業所得の割合(右軸)価格需要曲線供給曲線数量均衡数量偏差線形(偏差)3.01.010%20%30%40%50%300600900(10万ha)1,2001,500農産物農業資材農業資材のうち肥料710171017101その他6%モロッコ18%その他20%中国76%カナダ80%基幹的農業従事者数65歳以上割合(右軸)(万人)30020010060%2005201030.0ha以上20.0~30.010.0~20.05.0~10.03.0~5.02.0~3.01.0~2.00.5~1.00.5ha未満(%)1,800-40-20(%)100908070710605040302010水田作畑作露地野菜作りん酸アンモニウム塩化カリウム・農業の総産出額は1990年代後半より減少し、現在は横ばい傾向の推移となっている。内訳として、耕種が減少し、より土地生産性が高い畜産が増加している。また産出額に対する農業従事者の所得は、増減ありつつも減少傾向である(図表1)。・日本は山間部が多く平野が少ないことが影響し、GDP上位8カ国と比較すると国土に占める耕地面積割合、耕地面積ともに最も小さい(図表2)。・農業従事者の減少と高齢化が急速に進んでいる(図表3)。ただし、耕地規模別に見ると、過去10年で10ha未満の経営体は減少したものの、10ha以上の経営体数は増加を続けており、土地集約も一方では進んでいる(図表4)。・農産品は一般に鮮度が商品価値を左右するため、価格が低下しても買い置きや買いだめによる需要増が期待できない。また収穫が1年に一度であるケースも多く、短期間で生産量を変動させることはできない。そのため、需給曲線は一般製品と比較し「立った」ものとなりやすく、収入の予見性は低下する。また、気候変動の影響も安定供給に向けた障壁となる(図表5、6)。・農業資材価格は2022年以降大幅に上昇しており、農産物への価格転嫁は実現しているといい難い。日本は主な化学肥料の原料である尿素、りん酸アンモニウム、塩化カリウムについてはほぼ全量を輸入しており、肥料調達は国際市況や為替の影響を受けやすい構造となっている(図表7、8)。・営農類型別の農業経営収支をみると、最も農業所得率が低いのが水田作、最も高いのが果樹作となっており、農業所得率の低い営農類型では、共済・補助金等受取金が粗収益に占める割合も高い。また経営費において、水田作は農業機械等の減価償却費の割合が高く、野菜作や果樹作は荷造運賃手数料の割合が高いという特徴がある(図表9)。一般製品農産品尿素大臣官房総合政策課 調査員 田矢 祐樹/大村 直人本稿では、我が国における中長期的な農業経営の在り方について考察する。(図表1)農業総産出の推移(図表5)需給曲線の比較(図表6)年平均気温偏差(図表2)耕地総面積割合、耕地総面積 国際比較(2022年)(図表7)農産物・農業資材価格指数(図表8)化学肥料原料の調達状況(図表3)農家数と高齢化(図表4)耕地規模別経営体数の変化率(図表9)農業経営収支(営農類型別) 64 ファイナンス 2025 Apr.農業経営の現状農業経営の課題130農業経営の成長戦略についてコラム 経済トレンド
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