SPOT 源氏物語とその世界(下)生涯を生き生きと描き出した」という。TBSは1991年には『源氏物語』を「創立40周年を記念して総制作費約12億円を投じ製作…。…光源氏を青年時代・東山紀之と壮年時代・片岡孝夫…大原麗子が光源氏の初恋の女性・藤壺女御と…紫の上の二役に扮し、…語り手は、三田佳子が作者・紫式部に扮し、藤原道長(声:石坂浩二)との掛け合いを交えて物語の進めていく。その他、若尾文子、竹下景子、長山藍子、沢口靖子、泉ピン子ら主演級の俳優・女優が続々登場!超豪華キャストが勢ぞろい」という。勿論、漫画にもなる。1979年から93年まで連載された大和和紀の「あさきゆめみし」は「当時の貴族の最高の趣味・趣向を…見事なビジュアルとして結晶している」作品で英語版もあるといい、他にも「恵川達也の『下源氏物語』(集英社)、牧美也子の『源氏物語』(小学館)、小泉義弘の『大掴源氏物語 まろ、ん?』(幻冬舎)など」があるという。宝塚。宝塚歌劇団のWebsiteによると「光源氏は男役にとってまさに理想の役」だという。「創立まもない1919年に早速『源氏物語』が上演され…その後も何度か企画され、1952年の白井鐵造構成・演出『源氏物語』には、白薔薇のプリンスという異名を持つ宝塚歌劇の至宝、春日野八千代が主演。まさに当たり役となり、高貴な美しさで話題をさらった」という。「白井鐵造と宝塚歌劇『レビューの王様』の人と作品」によると「まるで平安朝文学のみやびな物語絵巻から抜け出たような、優雅で、気品に満ちた光源氏を演じた」春日野は「源氏の衣装にシャネルの五番を振りかけて出てきた」、相手役には八千草薫(若紫)、有馬稲子(葵上)」らという「豪華で贅沢な舞台」だっという。後に宝塚歌劇団の理事になり、2012年に逝去した春日野八千代の遺影は若き日に演じた光源氏だったという。「光源氏、光源氏と、世上の人々はことごとしいあだ名をつけ、浮ついた色このみの公達、ともてはやすのを、当の源氏自身は味気ないことに思っている」(眠られぬ夏の夜の空蝉の巻)で始まる田辺聖子の「新源氏物語」は、「光源氏の愛と葛藤の物語を、新鮮な感覚で〈現代〉のよみものとして描」き、54帖の物語を再構成。宝塚にマッチしたのか、1981年に月組公演「新源氏物語」を上演。宝塚歌劇団のWebsiteによると、「全盛期をむかえた、当時月組トップスター・な要素もあり」近代能の作品の中で「一番気に入っている」という。昭和三十年(1955)に第一生命ホールで文学座により上演。映画。以下、「映画の中の古典芸能」によると、まずは昭和二十六年(1951)に「大映創立10周年記念作品として公開された『源氏物語』(永田正一制作、谷崎潤一郎監修、池田亀鏡校閲、吉村孝三郎監督…)が初めての映画化」で「当時の”源氏ブーム“に応えたもの」だという。キャストは光源氏(長谷川一夫)、藤壺(木暮実千代)、淡路の上(京マチ子)、紫の上(乙羽信子)でカンヌ映画祭撮影賞受賞。続いて昭和三十二年(1957)に「『源氏物語 浮舟』…、北条秀司原作、衣川貞之助監督・脚本、八尋不二脚本)、薫(長谷川一夫)、匂宮(市川雷蔵)、浮舟(山本富士子)」。昭和三十六年(1961)には「『新源氏物語』…、川口松太郎原作、森一生監督、八尋不二脚色)、光源氏(市川雷蔵)、藤壺・桐壺(寿美花代)、朧月夜(中村玉緒)、葵の上(若尾文子)、末摘花(水谷良重=現二代目水谷八重子)…」とこの辺りになると、知っている俳優も出てくる。その後、昭和41年(1966)「『源氏物語』…、武智哲司制作・監督・脚本)、光源氏(花ノ本寿)、藤壺女御(芦川いずみ)、…紫の上(浅丘ルリ子)…明石女御(山本陽子)」。昭和62年(1987)にアニメ映画「『紫式部 源氏物語…、杉井儀サブロー監督、筒井ともみ脚本)」が上映。平成に入ると13年(2001)に「『千年の恋 光源氏物語』…、堀川とんこう監督、早坂暁脚本…)。紫式部(吉永小百合)、光源氏(天海祐希)、紫の上(常盤貴子)、藤壺中宮(高島礼子)、大后(かたせ梨乃)、朧月夜(南野陽子)、明石の君(細川ふみえ)、六条御息所(竹下景子)、揚羽の君(松田聖子)、他に源典侍(岸田今日子)、清少納言(森光子)など」、若い人でも知っていそうな豪華なキャストも登場。テレビ。1980年にはTBSが「特別企画『源氏物語』」。TBSチャネルによると「主人公・光源氏に…沢田研二を抜擢。光源氏と恋物語を繰り広げる8人の女たちには、八千草薫、十朱幸代、いしだあゆみ、倍賞美津子、藤真利子、風吹ジュン、叶和貴子、渡辺美佐子ら華やかな女優陣…脚本家・向田邦子は、豪華絢爛な平安絵巻という以外に、愛の喜び、はかなさ、また運命の不思議さなど光源氏と彼をめぐる様々な女性のファイナンス 2025 Apr. 59
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