SPOT ※大阪・関西万博 公式サイトhttps://www.expo2025.or.jp/独創的な建築物が立ち並ぶ開幕1か月前の万博会場の様子大阪・関西万博についてまた、大屋根リングの南側には水を張り、史上初の「海の万博」を象徴する場所「ウォータープラザ」とし、連日夜になると音と光を駆使した水上ショーが行わる。森と水辺の間には、日本の8名のプロデューサーがそれぞれ「いのち」をテーマに「シグネチャーパビリオン」を運営し、アンドロイドやアニメ、食といった様々な体験をすることができる。これらの中心部を囲むように海外160近くの国々の「海外パビリオン」が大屋根リング内にひしめき合う。51棟は各国独自のパビリオン、その他の国々は複数の共同館の中に展示スペースを持つ。独自パビリオンは建築自体が個性的で見るだけで楽しむことができるほか、各国とも目玉の展示を用意しており、人気のパビリオンは行列必至である。なお、会期中は参加国のナショナルデーを決めており、その日はパビリオンだけでなく、会場内全体でその国にちなんだ様々なイベントが行われる。184日間の会期で160カ国近くが参加しているので、ほぼ毎日が、いずれかの国のナショナルデーということになり、その国の文化を思う存分味わうことができる。大屋根リングの外側には「日本館」、「大阪や関西広域連合のパビリオン」、「民間企業のパビリオン」などが立ち並ぶ。こちらも様々な個性的な建築デザインを楽しむことができるとともに、展示内容もガンダムや鉄腕アトムといった鉄板コンテンツを含め、バラエティに富む。大屋根リングの北西部は「フューチャーライフゾーン」と呼ばれ、様々な未来技術の展示が行われる。「未来の都市」という巨大パビリオンでは様々な分野の未来技術の展示が行われるし、「空飛ぶクルマ」の発着場もこの地域にある。場内にはEVバスを常時走らせ、その一部ではレベル4の自動運転(運転手不要)を実施するほか、走行中自動給電の実演も行う。夢洲北側の船着場を利用して船で会場に来ることも可能だが、その中で水素燃料電池船の運行も予定している。イベント関連では、会場内には2千人収容の大催事場「EXPOホール」や1万6千人収容の「EXPOアリーナ」をはじめ多くのイベントスペースを設けており、連日、有名アーティストによるコンサート、歌舞伎、宝塚、大相撲など多くのイベントが実施される。日本全国の様々な祭りも数多く実演される予定だ。単なる見せ物だけではなく、会期中、テーマウィークという枠組みで、「地球の未来と生物多様性」「健康とウェルビーイング」「平和と人権」「未来への文化共創」といった様々な社会課題について、内外の識者を集めた対話・交流の場も開催される。「サステナドーム」という省エネ型のコンクリートドームは、子供たちが環境問題などについて学ぶことができる場となる。「なんとなく大阪で万博を開催することは知っているけれど、さして関心がない」というのが、派遣前の私を含め、多くの方々の感触だと思う。ただ、上記のような万博の内容を知っていただき、160近くの国々の文化をリアルに目にできる機会は他にはないということを知れば、多くの方が「行ってみたい」と思うようになると思うし、これを契機に関西、ひいては日本の経済活性化につながることを期待したい。いろいろ御託を並べてきたが、ともかく来ていただければ単純に楽しい体験ができるので、多くの方にご来場いただきたいと思う。なお、財務省関係(造幣局を含む)で博覧会協会に派遣され勤務している「MOF人」は計13名、様々な部署で能力を発揮していただいている。博覧会協会には民間企業、各省庁、大阪を中心とする自治体から多くの出向者が働いている。これらの方々や、万博に参加する国々や民間企業などの参加者と多くの交流ができ、これまでにない経験をすることができる。ここでの経験を財務省のそれぞれの部署で活かしていただければ、財務省の活性化にも寄与すると思いたい。会場でみなさまのお越しをお待ちしております。ファイナンス 2025 Apr. 41おわりに
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