ファイナンス 2025年4月号 No.713
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特 集3.令和7年度予算における主要事業令和7年度予算は、防衛力の整備等に必要な事業を着実に推進しているところ、その主な内容は以下のとおりである。*5ア スタンド・オフ防衛能力○ 我が国に侵攻してくる艦艇や上陸部隊等に対して、対空ミサイル等の脅威圏外から対処するスタンド・オフ防衛能力を抜本的に強化するため、12式地対艦誘導弾能力向上型(艦発型)の取得(168億円)、極超音速誘導弾の開発(585億円)及び製造態勢の拡充等(2,391億円)を実施。○ スタンド・オフ防衛能力に必要な目標の探知・追尾能力の獲得のため、衛星コンステレーションの構築を開始(PFI方式)(2,832億円)。イ 統合防空ミサイル防衛能力○ イージス・システム搭載艦の整備に伴い、実射試験を含む各種試験の準備等(865億円)を実施。○ このほか、弾道ミサイル、巡航ミサイル、極超音速滑空兵器等の迎撃能力を強化するため、SM-3ブロックⅡA(弾道ミサイル防衛用迎撃ミサイル)(744億円)、SM-6(長距離艦対空ミサイル)(104億円)、PAC-3MSEミサイル(435億円)、03式中距離地対空誘導弾(改善型)(720億円)を取得。ウ 無人アセット防衛能力○ 情報収集・警戒監視・偵察・ターゲティング機能を強化するため、滞空型UAV「MQ-9B(シーガーディアン)」(415億円)、艦載型UAV(小型)(40億円)を取得。エ 領域横断作戦能力○ 宇宙領域を活用した情報収集能力等の強化を図るため、衛星コンステレーションの構築(2,832億円)【再掲】を開始するとともに、現在運用中のⅩバンド防衛通信衛星(きらめき2号)の後継機として、坑たん性や通信能力等が向上された次期防衛通信衛星の整備(1,238億円)を実施。【サイバー領域における能力強化】○ サイバー攻撃等対処に係る状況把握・対処等をより迅速かつ的確に行うため、AIを活用した支援システムの整備(41億円)を実施。【電磁波領域における能力強化】○ 相手の通信機器やレーダーが発する電波を妨害し、相手の通信や索敵などの能力を低減または無効化する能力を強化するため、ネットワーク電子戦システム(NEWS)(改)の開発(47億円)を実施。○ 電子妨害や電子防護に必要となる、電磁波に関する情報を収集する能力を強化するため、電波情報収集機RC-2(1機:457億円)を取得。【陸海空領域における能力】○ 機動戦闘車等と連携し、機動的に侵攻部隊対処を行うため、24式装輪装甲戦闘車(18両:220億円)、24式機動120mm迫撃砲(8両:85億円)、共通戦術装輪車(偵察戦闘型)(6両:91億円)を取得。○ 対潜戦能力の強化等各種海上作戦能力が向上した新型のFFM(3隻:3,148億円)、探知能力等が向上した潜水艦「たいげい」型潜水艦の9番艦を建造(1隻:1,140億円)。また、水中、水上目標の探知・識別能力等を強化した能力向上型P-1(2機:848億円)や搭載システム等の能力等を向上させた回転翼哨戒機(SH-60L)(2機:293億円)を取得。○ 我が国の航空戦力の質・量をさらに洗練・強化するため、戦闘機F-35A(8機:1,387億円)・戦闘機F-35B(3機:665億円)を取得するほか、戦闘機F-2の能力向上(8機:130億円)を引き続き推進。このほか、最先端の戦闘機等のパイロットを効率的・効果的に育成するため、教育システムとして一【宇宙領域における能力強化】 10 ファイナンス 2025 Apr.*5) 予算額は「(2)米軍再編、基地対策等の推進」を除き契約額ベース。なお、初度費(専用治工具費や初度設計費等)は含まない。(1)防衛力整備計画対象経費

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