連載各地の話題 図1:JR宇都宮駅西側ライトラインの整備区間(宇都宮駅東口停留場〜宝木町1丁目・駒生1丁目付近〈教育会館付近〉)宇都宮市ライトラインは、定時性や速達性など、基幹公共交通にふさわしい機能のほか、鉄道やバスなど他の交通との円滑な連携や、停留場と車両に段差がなくバリアフリーな設計により誰もが乗り降りしやすい工夫が図られています。全長は30m以下の規定に基づき29.520m、定員は国内の低床式車両の中で最大級となる159人と高い輸送力があり、JR宇都宮駅東口から芳賀・高根沢工業団地付近までの暮らしに便利な所(駅、商業施設)、住む所や働く所(工業団地)など多くの人が集まる場所を結ぶ、全19停留場からなる約14.6kmを走行しています。そのうち5停留場は乗り継ぎ利便性の向上を図るため、交通結節点(トランジットセンター)として整備を行いました。ライトライン開業から3か月後の令和5年11月に実施したアンケート調査では、開業前に75.7%だった外出率が、約5.7ポイント増の81.4%となったほか、沿線内における40歳以上の一日当たりの平均歩数が349歩増加するなど、健康増進が期待される結果となりました。また、開業した宇都宮駅東側のライトライン沿線では、平成24年と令和5年を比較して、住宅地の地価が約11%、人口が約8%上昇したほか、高層建築物の建築確認件数が増加し、マンションの建設による土地利用の高度化が図られるなどの効果が発現しています。さらに、ライトライン沿線の清原工業団地では、ライトライン開業前後に1,100億円を超える民間投資が公表され、産業拠点としての充実・強化が図られています。JR宇都宮駅西側については、令和4年8月に大谷観光地付近までを、引き続き調査・検討を進める「検討区間」とし、NCCの形成の効果を早期に発現させるため、JR宇都宮駅から教育会館付近までを、着実に整備を進める「整備区間」としました。今後は、JR宇都宮駅西側の早期開業を目指し、軌道運送高度化実施計画の策定に必要な各種調査・検討や関係機関との協議・調整を迅速に進めていきます。ライトライン開業からの1年間、線路等の定期的な点検や専門家との意見交換、運行案内板の設置、ダイヤ改正、停留場周辺の駐車場増設、新たなトイレ整備と、様々な改善・改良に取り組んできました。今後とも、皆さんの声を一つずつお聞きしながら、ライトラインがより安全・安心で便利な乗り物となるよう取り組んでまいります。写真3:ライトラインと停留場4.おわりに3.JR宇都宮駅西側区間の整備ファイナンス 2025 Mar. 85(2)ライトラインの特徴と事業概要(3)ライトラインの整備効果
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