連載セミナー最後に 74 ファイナンス 2025 Mar.女性もどんどん活躍してくれるようになりました。在宅勤務ができることもすごいです。DXが進むと、今までなら会社に行かないと資料が見られなかったのですが、DXが進むことによって、在宅でも小さいお子さんがいるママさんたちでも力を発揮できるようになりました。DXで5つの壁を取り除きました。DXに取り組むことで、言語の問題を克服する、順番に決められたボタンを押すだけで簡単に仕事ができる、不登校の子供たちにパソコンを教える、人に頼まなくてもデータが入手できる、女性でも活躍の場が広がる、といったことが実現して、「国籍の壁」「障がいの壁」「不登校の壁」ことができました。DXによる業績向上とコストの削減についてお話いたします。まず利益です。2024年の売上総利益額が2023年比で236%アップしました。次はベースアップです。私たちはベースアップをすごく重視していて、2022年は5.5%アップ、2023年は2.3%アップ、2024年は4.7%アップ、弊社は9月決算であり、多分すごくいい結果だったので、2025年はもうちょっとベースアップを、という感じでやりたいと思っております。次が業務効率化です。定型業務が3万時間以上あったのですが、DX後はした。次が在庫の削減です。データがリアルタイムで見られることによって、「これは多すぎるからもう作らなくていいのではないか?」といったコミュニケーションがすごく増えましたので、以前は1億6,000万あった在庫が6,000万まで減りました。さらに、固定費が4,000万円カットできております。DXを頑張ると、いいことがいっぱいあるなと感じております。先日も関東財務局で講演させていただいたり、本日こうやって講演に呼んでいただいたり、「日経トップリーダー」で特集を組んでくださったり、いろいろなところで取材を受けさせていただけることになりました。また賞につきましても、日本中小企業大賞の「働き方改革賞」で最優秀賞を受賞させていただいたり、「日本DX大賞」で優秀賞ですとか、あと「JAPAN HR DX AWARDS」の最優秀賞、「Forbes Women AWARD」についても審査結果があったのですが、1,700社の中で2位を受賞させていただいたりしました。中小企業は本当にこういうことがありがたいのです。広告宣伝費にお金を出すことができないので、賞を取ったり、講演に呼んでいただけると、それだけで広告になったりしますので、それがどんどん良い効果を生んでおります。4,000万円固定費が削減できたので、いろいろな幸せが生まれました。幸せの一つはもちろんベースアップとプラス賞与です。その他に、医療費年間100万円支給という松本興産独自の取り組みがあります。みんなで出した利益を何かしら使えないか、ということで話し合って、癌などの難病を抱える社員やパートが、治療費や移動に使えるよう、年間100万円をプレゼントしております。みんなでDXを頑張ると、こういった救える源にもなるのだ、というふうに社員たちが分かると、なんか人間らしいですよね。こういうのが私は好きだなと思っております。また、オフィスガーデンも計画しています。秩父工場の隣に、社員たちがガーデンを眺めながら仕事ができたりする福利厚生施設を建設しようかなと思っております。最後になりますが、冒頭、「田舎企業がIT人材ゼロでもDX日本一へ」と申し上げましたが、DXを始めるまでは私自身も正直、松本興産は田舎企業だからこんなもんでしょう、みたいな感じでいた気がします。「経歴の壁」「ジェンダーの壁」と5つの壁を克服する9,500時間になり、約68%カットすることができま(10)成果(7)社会的課題への貢献を果たした(8)DXによる業績向上とコスト削減(9)取材・講演実績
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