利用したい利用したくない知らない・関心がないレベル自動運転レベルの概要アクセル・ブレーキ操作またはハンドル操作のどちらかが、部分的に自動化された状態。レベル1アクセル・ブレーキ操作およびハンドル操作の両方が、部分的に自動化された状態。レベル2特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態。ただし、自動運行装置の作動中、自動運行装置が正常に作動しないおそれがある場合においては、運転操作を促す警報が発せられるので、適切に応答しなければならない。レベル3特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態。レベル4レベル5自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態。ウェイモ(米)米国カリフォルニア州の一部などで、すでに「ロボットタクシー」を実用化。2018年12月より、無人の自動運転車を使った一般向けのタクシー配車サービスを開始。2024年10月、「ロボットタクシー」EVのプロトタイプを発表。テスラ(米)2026年に生産を目指している。百度(中)2022年、中国初の無人運転タクシーの商業化ライセンスを取得。2024年より、監視員なしの無人運転車を投入、24時間体制で「ロボットタクシー」サービスを開始。2024年12月、ウェイモ(米)、およびタクシー配車アプリを手がけるGOとともに、東京都内の公道で自動運転車の実証テストを実施すると発表。実証走行は2025年度に東京都心から開始する。日本交通交差点での運転交差点で停止・赤信号で停止・左折/右折速度維持想定制限速度:時速60km車両追従他の車に追従し、交通の流れを維持するエリア必要なインフラが整っている認定エリア車両中央維持道路に目印となるマーキングが必要・認可された都市部のみ車線変更/追越し車両は車線変更および追越しができる気象条件合流車両は自動的に合流できる経路計画車両はV2Xコミュニケーションを用いて独自に経路を選択緊急時のアシスト次の停止可能なエリアで緊急停止運転操作の主体運転者運転者自動運行装置(自動運行装置の作動が困難な場合は運転者)自動運行装置自動運行装置ドライバードライバーなし、セーフティードライバーなし(遠隔監視のみ)乗客乗客は他の作業に従事できる道路の種類位置決め用のマーキングを用いた都市部の認可道路のみ通常の気象条件・激しく雨や氷、雪が降っていない状況交通状況時速最大60km・シンプルな交通状況例外的な事象/インシデントリモートドライバーサービスが制御を引き継ぐ政府目標自家用車高速道路でのレベル4の実現(2025年度目処)■高速道路(60km/h以下)のレベル3の基準■上限速度を60km/h以下⇒130km/h以下に限定地域での移動サービスを50ヵ所程度で実現(2025年度目処)■地方公共団体の実証事業の費用を支援(2022移動サービス■福井県永平寺町の車両をレベル4として認可物流サービス高速道路でのレベル4の実現■トラックの隊列走行の実証実験を実施(2021(2025年度以降)新しい技術・サービスへの興味人間の運転と比べた安全性ドライバーがいない気楽さ交通手段が不十分な地域での有用さ運賃が安くなりそうだからその他これまでの実績策定(2020年3月)引き上げ(2023年1月)年度~)(2023年3月)年2月)自動運転技術の安全性への不安ドライバーがいる安心感利用方法が難しそうだから運賃が高くなりそうだからその他コラム 経済トレンド 129レベル1レベル2レベル320212022202320242025北米中国欧州日本その他20302045(10億ユーロ)5004003002001000.531.420302025(図表21)「ロボットタクシー」にかかるアンケート調査「ロボットタクシー」を利用したいか22.552.525(注)全国の20代から60代の520名を対象にウェブアンケート調査を実施。レベル4自動運転車以外(%)10080604020203020212022202320242025202620272028202920300000連載経済トレンド 399.2安全性の向上道路で遭遇するあらゆるリスクへの対応公道での走行経験を蓄積して安全性を向上2035「ロボットタクシー」を利用したい理由9.410.340.214.522.2(百万台)100806040202020605040302010(出所)国土交通省自動車局先進安全自動車推進検討会「先進安全自動車(ASV)推進計画報告書-第6期ASV推進計画における活動成果について-」、矢野経済研究所「2022自動運転システムの可能性と将来展望」、RBCCapitalMarkets「Autos-RBCADASandAVForecast」、富士キメラ総研「2024自動運転・AIカー市場の将来展望」、国土交通省「自動運転の実現に向けた取り組みについて」(出所)各種報道等、PwC「デジタル自動車レポート2022」、国土交通省「自動運転の実現に向けた取り組みについて」、野村総合研究所「ロボタクシーサービスのグローバル消費者意識調査-NRI自動車業界レポート2023-」・一方、自動車業界を取り巻く状況として、近年、自動運転技術が注目されつつある。・国土交通省による先進安全自動車推進計画によれば、自動運転は、「運転者ではなくシステムが、運転操作に関わる認知、予測、判断、操作の全てを代替して行い、車両を自動で走らせること」と定義される。また、自動運転の技術レベルについて、米国の自動車技術会によって示された基準にしたがえば、自動化の度合いに応じた5段階評価が可能である(図表12)。こちらの基準に即してみると、現時点における自動運転の技術水準は、未だ発展途上段階のものと考えられるが、現在の技術革新を踏まえると、今後急速な拡大を見せる示唆もある(図表13、14)。・現在、北米や中国などを中心に盛り上がりを見せる自動運転業界であるが、こうした世界的な潮流を背景に、我が国においても、自動運転実用化に向けた政府指針が示されているなど、国内の自動運転市場の今後の拡大にも期待が持たれる(図表15、16)。・こういった自動運転の技術は、個別旅客輸送の分野において活用が期待される。ドライバーの減少により供給力低下が不安視される中、高まる需要に応えていくうえで大いに活躍を期待できよう。・最近では、レベル4以上の自動運転技術を搭載した輸送インフラとして「ロボットタクシー」が注目されている。国内外において、実際の運用に向けた取組みが図られており(図表17)、今後さらなる飛躍が期待される領域だ(図表18)。・なお、いまだ発展途上の自動運転の運用にあたっては、技術的な課題のほか(図表19)、社会的側面からクリアしていくべきポイントなど障壁は多々あろう(図表20)。アンケート結果などを踏まえても、新たな交通手段としての期待の声がある一方、現時点における技術レベルなどを勘案して安全性やコスト面を懸念する声もきかれる(図表21)。・日本社会における個別旅客輸送を安定確保していくうえでも、自動運転技術のさらなる発展、そして「ロボットタクシー」の今後の躍進に期待したい。(注)文中、意見に関る部分は全て筆者の私見である。(図表12)自動運転レベルの一覧(図表17)国内外の主な「ロボットタクシー」にかかる取組みの例(図表19)「ロボットタクシー」実用化に向けて求められる機能水準(図表13)レベル別の自動運転市場予測(図表18)「ロボットタクシー」にかかる収益予測(図表14)電気自動車市場に占める自動運転車のレベル別割合(図表16)自動運転にかかる政府取組み(図表20)「ロボットタクシー」実用化に向けた課題今後の展望自動運転技術の概要と取り巻く環境ファイナンス 2025 Mar. 63レベル1レベル2レベル3レベル4地域の理解事業性の確保地域住民からの安全性への理解自動運転車による運送サービスの採算確保継続的に同じ地域で走行し、地域住民の安心感を形成実証事業での経験を重ね、事業モデルを磨き上げ「ロボットタクシー」を利用したくない理由6.26.215.469.2(図表15)国・地域別の自動運転市場予測(百万台)
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