特 集1. 令和6年度補正予算及び 令和7年度予算編成の背景2.令和6年度補正予算の概要を実現し、豊かさを実感できる成長型経済への移行を確実にすることを目指すものであり、令和6年度補正予算はこれを実行するために編成された。国会における予算修正を経て、昨年12月17日成立した。令和6年度補正予算の歳出においては、経済対策の実行に係る経費として13兆9,310億円を計上している。このほか、国債整理基金特別会計への繰入れ、地方交付税交付金の増額等を行うとともに、既定経費を減額している。一方、歳入においては、税収について、直近までの収入実績や企業収益の動向等を勘案して3兆8,270億円の増収を見込んでいる。また、税外収入について、1兆8,668億円の増収を見込むほか、前年度剰余金1兆5,595億円を計上している。以上によってなお不足する歳入について、公債を6兆6,900億円発行することとしている。この結果、令和6年度一般会計補正後予算の総額は、一般会計予算に対して歳入歳出ともに13兆9,433億円増加し、126兆5,150億円となる。また、令和6年度の公債発行額は42兆1,390億円となる。(注1) 令和6年度の実質GDP成長率は0.4%程度、名目GDP成長率は2.9%程度と見込まれており、令和7年度はそれぞれ1.2%程度、2.7%程度と見込まれている。(注2) 衆議院の予算修正により、予算総則において、一般会計予備費のうち1,000億円については能登地域の復旧・復興に要する経費に使用する旨が明記。 2 ファイナンス 2025 Feb.(2)令和6年度補正予算のフレーム(1)令和6年度補正予算のポイント主計局総務課 主計官 松本 圭介日本経済は、33年ぶりの高水準の賃上げと過去最大規模の設備投資が実現するなど明るい兆しが見られており、これを確かなものとし、賃金上昇が物価上昇を安定的に上回り、賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現していく必要がある。同時に、財政は国の信頼の礎であり、我が国を取り巻く諸課題に的確に対応するため、歳出・歳入両面の改革を着実に推進し、日本の信用や国民生活を守るための財政基盤を平時より備えることが不可欠である。日本の財政は、債務残高対GDP比が世界最悪の水準にあるなど、引き続き厳しい状況にあることも踏まえ、「経済財政運営と改革の基本方針2024」(令和6年6月21日閣議決定)で示された「経済・財政新生計画」の枠組みの下、早期のプライマリーバランス黒字化実現を含め、財政健全化に取り組んでいく。昨年11月22日に、「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策~全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やす~」が閣議決定された。この経済対策は、我が国経済が、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」に移行できるかどうかの分岐点にある中、賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済令和6年度補正予算及び 令和7年度予算について
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