ファイナンス 2025年2月号 No.711
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2023202020172014201120082005200219991996ヘルスケア医療21202100211020902080207020502060204020302020201019902000198019701960195072023(注)2021年以降は推計値(出生中位(死亡中位)推計)(図表10)日本の平均睡眠時間推移*行為者平均、平日土日を当課にて加重平均(図表11)睡眠の質に対するアンケート調査(図表14)ZAKONE連携図(図表12)社員の睡眠に関わる各企業の取り組み*各社HPより抜粋(図表13)睡眠市場イメージ図(図表17)日本の将来推計人口(図表18)気分障害(躁うつ病を含む)患者数コラム 経済トレンド 128睡眠市場拡大の背景これからの睡眠とスリープテック11112022913571395連載経済トレンド デジタル・コトアナログ・モノ(百万人)1401201008060402002024(年)(千人)140120100806040200(図表15)ZAKONE参画企業数の推移(社)200150100500(図表16)スリープテック市場構造(n=10,000)0%20%2018年2019年2020年2021年2022年2023年2024年31.831.232.331.730.930.534.5満足している少し不満200520102015(年)(年)エステー睡眠を促す香り40%60%80%45.644.945.344.344.444.442.0かなり不満非常に不満、全く眠れない・不眠症治療用アプリ・健康情報管理アプリ・不眠症治療薬・睡眠改善薬・睡眠治療薬100%17.217.616.717.817.618.05.56.35.76.27.27.26.217.3・パーソナル睡眠診断・企業向けコンサル・ウェアラブル端末・空調・機能性表示食品・寝具/パジャマ(出所)NHK「国民生活時間調査」、西川(株)「2024 睡眠白書」、各社HP、厚生労働省「平成27年国民健康・栄養調査」1商品・サービスの開発2睡眠ノウハウ・情報の共有3消費喚起イベントなどの開催今後 健康経営を促進したい企業・自治体の経済圏を拡大NTT東、ブレインスリープ睡眠計測や睡眠医学に基づいた寝具長谷工コーポレーション睡眠状態に合わせて証明・空調・カーテンが連動するスマートホーム(出所)日本経済新聞、ZAKONEHP、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」、厚生労働省「令和5年患者調査」寝間着音楽・・・・Techファイナンス 2025 Feb. 55・日本人の平均睡眠時間は2020年に増加したものの年々減少傾向であり、前述の国際比較を鑑みても依然低水準である(図表10)。睡眠に関するアンケート調査では、満足していない割合が約7割となっている(図表11)。厚生労働省によると、働く世代における睡眠の妨げとなっている最大の原因は「仕事」が挙がっている。・そうした状況下で、企業は健康経営*の一環として、直接睡眠改善に取り組み始めている(図表12)。睡眠はプライベートなものとされ市場がBtoC中心だったが、BtoBに拡大していることが分かる。*「健康経営」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標・更に、睡眠時間の延長は様々な要因が絡み難しいため、取り組みやすい「睡眠時間の質向上」への関心が高まっている。こうした中で、需要者の消費活動において、生活時間の約1/3を占める睡眠に対する投資額は拡大する可能性がある(図表13)。(h)7.77.67.57.47.37.27.119952000・日本人の睡眠改善は大きな需要があり、「スリープテック」の発展及び睡眠市場拡大に向けて、異業種間において連携した取組みが期待される。睡眠市場発展に向けて作成されたコミュニティサービス「ZAKONE」では140社超が参加しており、今後の更なる企業・自治体連携拡大を企図している(図表14、15)。睡眠改善に繋がるテクノロジーは4象限に分類ができ、異業種間・公的サービスの連携によって各分野の発展が期待することができる(図表16)。・企業が健康経営の一環として社員の睡眠改善に取り組むにあたり、各社事例等を鑑みると、社員に対してセミナー等による意識づけに加えて、何らかのインセンティブ等で奨励することがより効果的と考えられる。・人口減少下では、睡眠改善による1人当たりの生産性向上が重要と考える(図表17)。また現代では睡眠時間・質の低下に加えて、生活様式・社会の変化によって睡眠で処理する情報量が増加しており、それがメンタルヘルスに支障をきたしていることが考えられる(図表18)。スリープテックによる質向上はこうした社会課題の解決にも貢献できる可能性がある。(注)文中、意見に関る部分は全て筆者の私見である。企業名((株)略)DeNAロート製薬伊藤忠商事ソフトバンク2020(年)1日のスケジュール睡眠取組み内容セミナー、昼寝スペース確保睡眠習慣デザインプログラム「leeBIZ」を導入他社と連携開発した「S‘UIMIN連携型西川の睡眠改善プログラム」を検証「パワーナップ制度」として仮眠室導入三菱地所アビームコンサルティング睡眠可視化サービス「テクネル」を導入「睡眠に関する休養感」をKPIに追加、セミナー、ヘルスケアアプリ「HELPO」を導入、SAS検査の割引提供改善薬運動寝具質の良い睡眠飲食NTT東日本メーカーTech企業コラボ例 快眠を追求した賃貸住宅大学・研究所不動産

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