□□□SPOT図3.4:民主主義指標の推移オオババママトトラランンププババイイデデンン非非白白□□世世界界アアメメリリカカ欧欧州州(40%)とつづいた(PRRI, 2024)。民主主義がまった(2)国際的文脈移民(44%)、犯罪(43%)、医療(42%)、中絶く問題になっていなかったわけではなく、移民が全てのアメリカ人の心を奪ったわけでもない。それでも、上位五つのうち、住宅と日常支出のコスト、移民、犯罪で明らかに民主党はディフェンシブな闘いを強いられた。中位投票者定理と2024年の選挙の関係については、まだ本格的な分析は出ていないが、アンソニー・ファウラー(Anthony Fowler、シカゴ大学)は、インタビューに答え、ハリスよりもトランプが中位投票者に近い候補者であったと指摘している(Fowler, 2024)。国際的文脈では、トランプの出現はポピュリズムの伸長のなかで理解されてきた。ポピュリズムとは、「人民」の立場から既成政治やエリートを批判する政治運動であり、代議民主制の機能不全を批判し、人々の直接参加により既存の政治の限界を克服しようとする傾向がある(水島, 2016)。ラテンアメリカでは、アルゼンチンのペロン政権(1946年–1955年、1973年–1974年)をはじめ長い歴史を持つが、欧州でも、21世紀以降、オーストリア、ベルギー、オランダ、デンマークなどの中小国で存在感を高めてきた。衝撃を与えたのは、イギリス独立党の主張に触発されて実施した2016年の国民投票で、EU離脱の民意が示されたことである。ポピュリストへの既成政治勢力の対応は、オーストリアのように体制に取り込む例もあるが、多くの場合、非正統的な勢力として隔離の対象とした。2024年のフランス国民議会選挙では、第1回目投票で極右とされる国民戦線が単独過半数をうかがう勢いをみせたが、第2回投票で他の政党が反国民戦線で共闘し、第三勢力に押しとどめた。ドイツでも右派(AfD)は周辺化されてきたが、近く(2025年2月)行われる連邦議会選挙での党勢と選挙後の立ち位置に注目が集まる。米欧の動きの傍らで、中国やロシアは一段と専制的性格を強めた。グローバルサウスの国々でも、インド、トルコなどで民主主義の後退がみられた。ラリー・ダイアモンド(Larry Diamond、スタンフォード大学)は、中国、ロシアは、政策的に諸外国の民主主義を弱体化するべく働きかけており、世界の民主主義を守る必要性があると指摘する(Diamond, 2019)。図3.4は、Economist誌の調査部門EIUによる、世界の167か国の民主主義の程度を最低0~最高10で指数化したものであり、近年世界的に民主的主義が後退していることを示唆する。ポピュリズムの伸長の背景にあるものとして、(第一回や第三回でみた)オートメーションや国際貿易に由来する経済的な要因を挙げる経済学者(Autor et al., 2021)がいるが、移民の流入や人種問題を挙げる論者□□□□□□も政治学者を中心に多い。デイビット・アート(David Art、タフツ大学)は、西欧の急進右派政党とトランプの特徴は排外主義であるとする(Art, 2020)。ロバート・パプ(Robert Pape、シカゴ大学)は、2021年1月6日の議会襲撃事件で起訴された者の背景を分析し、起訴された者の出身郡では、白人の人口比が下落していたことを見出している(Pape, 2022)。カイ・ゲーリング(Kai Gehring、ボン大学)らは、ドイツの新聞記事のテキスト分析を通じ、移民問題が経済・福祉問題としてではなく、文化・宗教問題として話題になっていたことを明らかにしている(Gehring et al., 2020)。女女性性既存の政治の側にも問題があるとの指摘もある。バーテルスは、共和党と同様に欧州の既成政党も人々のニーズへの感度を欠いていたとし、民主主義はトップから腐るとした(Bartels, 2023)。ベルギー出身の政治学者シャンタル・ムフ(Chantal Mouffe、ウエストミンスター大学)は、欧州の社会民主主義政党が(出典) EIUに基づき、筆者作成(2007年、2009年は未調査のため、前年の数値(出典)□□□に基づき、筆者作成(□□□□年、□□□□年は未調を延伸)図図□□□□□□□□□□連連邦邦判判事事へへのの出出自自にによよるる指指名名状状況況□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□(出典)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□に基づき、筆者作成図図□□□□□□□□□□民民主主主主義義指指標標のの推推移移□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 28 ファイナンス 2025 Feb.
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