特 集(図表1)年限別国債金利の推移本稿では、令和6年12月27日に公表した令和7年度国債発行計画の内容を中心として、国債発行を取り巻く最近の動きについて概要を説明したい。令和6年3月、日本銀行により金融政策の枠組みの見直しが決定され、マイナス金利が解除されるとともに、長短金利を操作する「イールドカーブ・コントロール」が撤廃された。その後7月には、短期金利の誘導目標が0.25%へ引き上げられたほか、月間の長期国債の買入れ予定額を、原則として毎四半期0.4兆円程度ずつ減額し、令和8年1~3月に3兆円程度とする計画が決定された。金融政策が大きく見直される中、国債金利については、令和6年前半は上昇基調で推移した。8月に世界的な金融市場の動揺を受けて大幅に低下したものの、その後、国内の物価・経済環境が堅調に推移するとともに、米大統領選挙を経て米国債金利が上昇傾向に転じる中、再び上昇基調となり、年末に長期金利(10年債金利)は1.1%付近に到達した。1.国債管理政策の方向性 14 ファイナンス 2025 Feb.40年債30年債20年債10年債5年債2年債(1)現下の国債市場の状況2024/42024/52024/6(出所)日本相互証券(単利)終値ベース2024年7月31日日本銀行無担保コールレート翌日物を0.25%に引上げ(長期国債買入れの減額計画の決定)2024/72024/82024/92024/102024/112024/122025/1(%)3.02.52.01.51.00.50.02024/12024年3月19日日本銀行「金融政策の枠組みの見直し」を決定(マイナス金利解除・長短金利操作撤廃)2024/22024/3令和7年度 国債発行計画について理財局国債企画課長 佐藤 伸樹
元のページ ../index.html#18