ファイナンス 2025年1月号 No.710
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2024/12/1620101052013122201344201612920169212024731202431920203160.25%踏まえどのような資料を追加すべきかなど、事前の綿密な準備は欠かせません。平野 このあたり、普段から面談の振り返りも常にしているところであり、チーム一丸となって喧々諤々の議論をしていますよね。回答に窮するような質問も多々ありますが、事前準備したデータを駆使しながら、誠実に答える姿勢が重要だと感じています。山内 少々箸休めとして、「我々自身にとっての海外IR」について話してみましょうか、まずは私の経験から。ある国では、過去に日本企業の輸出するインフラで発展した経緯から、日本の高い技術力への信頼と恩義について熱く語ってくださる投資家がいました。我が国のプロモーションをしに来たはずが逆にされたような、むず痒くも誇らしい気持ちになりましたね。もちろん、逆に厳しいご意見を頂戴することもありますが、概してシビアに物事を見るグローバル投資家の目を通じ、「外から見た日本」を肌で感じられることが、この仕事の大きな魅力のひとつだと思っています。ときなども、IRの意義を強く感じる瞬間です。平野 印象に残っている面談はありますか?山田 先日(2024年11月)行った欧州出張では、質問の大半をプライマリー・バランスの見通しに集中させる投資家もおり、今回に限った話ではありませんが、財政については常に丁寧な説明が必要だと強く認識しました。そのほか、CT国債の初回発行に向けた欧米出張では、ESG(環境・社会・ガバナンス)に熱心な投資家と2時間にも及ぶ面談があったほか、飯田さんから聞いた、遠く中東の投資家が日本の春闘の結果に注目していた、という話も印象的でしたね。飯田 “Shunto”というワードで通じる海外投資家も多いですよね(笑)。コロナ禍で控えていた対面の面談を再開し始めたタイミングでこの係に来ましたが、足元にかけて本当に日本国債への関心が高まっていることを肌で感じています。このような局面で、投資家の求める情報を的確に提供できた時も、非常にやりがいを感じる瞬間です。そのために、想定される質問にどう答えるべきか、直近の面談での投資家の関心事を3.海外IRの魅力・学び2.280%1.065%0.580%3.02.52.01.51.00.50.00.5 17 ファイナンス 2025 Jan.図表5 日本国債金利の推移

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