864203333333233343536300333333323334353636特集 12.0146.2発な取引などもよく指摘されるところです。平野 このあたりについては、過去の月刊ファイナンス*4や債務管理リポート*5にも詳述されているので、ご興味のある方はぜひご覧ください。ところで、ここ数年は日本の国債市場にとって大きな変化のタイミングでしたよね。山田 はい、各金利の推移を図表5に示しております。コロナ禍以降は、地政学リスクの高まりや一時的な金融不安などに揉まれながらも、大きくは、各国中央銀行によるインフレ対応としての金融引き締め、また日銀による金融政策正常化を受けて、日本国債の金利は上昇基調で推移しました。山内 日本経済のデフレ脱却に向けての期待から、イールドカーブが相対的にスティープ化している点を、魅力的と捉える投資家の声も聞かれますね。官民連携による国債保有者層の多様化に向けた取組JGB・GXプロモーターと日本国債IR平野 続いて、海外IRの意義について、海外出張の実体験も踏まえて教えてもらえますか。山田 日銀による金融政策の変更や世界初の国によるトランジション・ボンドであるCT国債の発行など、日本国債への関心が高まる局面で、個別面談や各種講演を通じて数多くの投資家とお会いしました。金利が上昇する中で大規模な国債発行も継続するという難しい環境であり、投資家からの鋭い質問も多かったですが、裏を返せば日本国債への注目の高まりの証左でもあったと感じています。こうした、投資家の生きたフィードバックを持ち帰れることは、IRの大きな意義のひとつと考えています。山内 これまで日本国債の保有が無かった投資家を訪問してリレーションを構築し、その後に具体的な取引方法など、今後の投資に前向きな問い合わせを受けた*4) 月刊ファイナンス令和4年6月号『日本国債IRの活動を通じて〜海外投資家から見た日本』を参照。*5) 債務管理リポート2024 −国の債務管理と公的債務の現状−「ボックス5 海外投資家のT-Bill需要について」(31ページ)を参照。2.海外IRの意義(令和6年12月18日公表)121853.312.06.5272829T-BillT-BillT-Bill27282930313031海外の国債等保有額(右軸)海外の保有割合(左軸)25262526図表3 海外の国債等(※)保有額、保有割合の推移図表4 海外の国債(含むT-Bill)保有割合の推移T-Bill(兆円)240210180150120906030ファイナンス 2025 Jan. 16(%)16141210(%)70605040302010
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