ファイナンス 2025年1月号 No.710
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連載各地の話題 ファイナンス 2025 Jan. 106今も同所を流れる倉敷川は、当時から川舟で瀬戸内海と往来できる運河として、物資の運搬に利用されていたため、物資の集積地として賑わい、商業の中心として発展しました。倉敷川沿いに立ち並ぶ白壁やなまこ壁の屋敷や蔵は江戸時代からほとんど姿を変えることなく残されており、明治時代以降の洋風モダンな建物や美術館も加わったことで、倉敷美観地区独特の雰囲気ある街並みとなっています。昭和44年(1969年)に倉敷市の条例に基づき美観地区に指定され、昭和54年(1979年)に重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。現在では国内外からの観光客が年間約300万人訪れ、美しい景観を撮影しながらの散策や、江戸時代に物資を運んだ川舟を再現した「くらしき川舟流し」の体験が人気を集めています。岡山県の旬なフルーツを使ったパフェを提供する人気店や、岡山県のお土産を取り扱う店も多数あり、景観と同時に食や買い物を楽しむことができます。水島港湾岸沿いに立ち並ぶ水島コンビナートは、総面積約2500haの工業地帯に、石油精製、鉄鋼生産、自動車など220以上の企業が集まる日本有数の重化学コンビナートです。昼間は工場からの粉塵や、煙突からの噴煙といった工業地帯ならではの一面がありますが、夜になっても煌々と灯りを放ち不夜城の如く稼働し続けるコンビナートの夜景は迫力満点です。特に「鷲羽山スカイライン水島展望台」からの展望は、大迫力の工業夜景を眼下に眺めることができ「日本夜景遺産」に登録されています。鷲羽山は、倉敷市の最南端である児島半島の先端にある瀬戸内海国立公園の代表的な景勝地です。鷲が羽を広げた姿に似ていることから、その名前がつけられたようです。瀬戸内海に面する鷲羽山は、海抜僅か133mですが、展望台からは天気が良ければ瀬戸内海の青い海に浮かぶ無数の島々や、全長約10kmの瀬戸(2)水島コンビナート(3)鷲羽山(水島コンビナート)(水島展望台からの夜景)(倉敷美観地区)(川舟流し)倉敷市

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