連載各地の話題 ファイナンス 2025 Jan. 102青森と聞いてまず連想するのは、なんといっても「青森ねぶた祭り」ではないでしょうか。昭和55年に国の重要無形民俗文化財に指定され、東北三大祭りの一つに数えられており(他に秋田竿灯、仙台七夕)、毎年曜日を問わず8月2日から7日まで開催され、期間中100万人以上の観光客が訪れます。戦国武将、歌舞伎の名場面、日本や中国の故事、青森の伝説をモチーフとした迫力満点の「山車灯籠(だしとうろう)」、笛、鉦、太鼓の勇壮な祭囃子、「跳人(はねと)」と呼ばれる踊り手が、特徴的なハネト衣装を着飾り「ラッセラー、ラッセラー」という掛け声を発しながら飛び跳ねる光景は、まさに血沸き肉躍るという表現に相応しい祭りです。津軽弁ではこのぞくぞくする、血が騒ぐ、心躍る、震える感情を『じゃわめぐ』と表現します。(標準語のざわめく、ざわつくとはちょっとニュアンスが違います。)また、祭りの期間中に来られない方には、青森駅のすぐそばに、青森市文化観光施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」があり、ねぶた祭りの歴史や、前年優秀賞等を受賞した現物そのままの大型ねぶたが常設され、通年にわたりねぶた祭りの魅力を余すことなく体感することができ、そちらも一見、いえ必見の価値はあります。是非とも目の当たりにし、『じゃわめいで』頂ければと思います。三内丸山遺跡は、平成4年から始まった発掘調査で、縄文時代前期から中期の大規模な集落跡や多くの竪穴対物跡、掘立柱建物跡、多くの土器や石器などが出土したことをきっかけに遺跡の保存が決定されました。また令和3年7月には「北海道・北東北の縄文遺跡群」として世界文化遺産に登録されています。遺跡には巨大な掘立柱の建物や竪穴式住居などがいくつも復元されており縄文時代の情景や暮らしぶりなどを感じることができるエリアとなっています。青森県立美術館には、20世紀を代表する画家、マルク・シャガールによるバレエ「アレコ」の背景画が展示されています。第1幕《月光のアレコとゼフィラ》、第22幕《カーニヴァル》、第3幕《ある夏の午後の麦畑》、第4幕《サンクトペテルブルクの幻想》全4点を見ることができます。第3幕《ある夏の午後の麦畑》だけは、アメリカのフィラデルフィア美術館の所蔵のものであり、同館から長期借用し展示しています。また当美術館は、この借用している背景画の展示にあたり、函館税関から保税展示場の許可を得ています。青森市民のソウルフードといえば、以前は「ホタテ貝味噌焼き」、「煮干しラーメン」が有名でしたが、近年は「味噌カレー牛乳ラーメン」がトレンドとなっています。札幌から来青した佐藤清氏(故人)が青森市に開いた「味の札幌」で、このお店の常連客(主に中高生)の間で、ラーメンにケチャップやマヨネーズなどを入れて食べることが流行り、その流れでお客から「味噌ラーメンにカレーとミルク」を入れてとのリクエストがあったことから、試しに作ってみたところたいへん美味しく、裏メニューとしてデビューさせました。その後、お客の要望が多くなり、正式なメニューとなったようです。最近では、テレビ番組でも取り上げられ、全国的にも知られようになりました。コシのある麺に「味噌のコク」、「カレーの風味」、「牛乳のまろやかさ」がマッチした美味しいラーメンです。三内丸山遺跡(出典:青森市ホームページ)□のソウルフード(出典:青森市ホームページ)青森市4.ねぶた祭り5.三内丸山遺跡6. マルク・シャガール「アレコ」7.ソウルフードの展示
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