ファイナンス 2025年1月号 No.710
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連載PRI Open Campus ファイナンス 2025 Jan. 100フィナンシャル・レビュー掲載の全論文は、財務総研ホームページから閲覧・ダウンロードしていただけます。https://www.mof.go.jp/pri/publication/financial_review/index.htmで確保するのか、社会保険料で確保するのか、きちんと検討することが重要だと思っています。例えば、2024年6月に「子ども・子育て支援金制度」の創設を含む法改正が行われました。妊娠・出産・子育てのための給付拡充を目的とした支援金制度ですが、これは税ではなく社会保険料として、医療保険料とあわせて徴収されます。社会保険は生活上のリスクをカバーするための仕組みですが、子ども・子育てへの支援の負担を、子育ての終わった方にまで求めることは、リスクに対する保険の考え方としてどうなのか、より多くの人で支える税という選択肢も考えるべきではないか、国民の負担はどうあるべきか、といったことをきちんと国民に説明することが重要です。税で負担するべきことと、社会保険料で負担するべきことは異なりますし、税の中にも、消費税だけではなく、資産税や所得税など、様々な選択肢がありますから、それぞれの特性を比較しながら、国民からの理解が得られるような議論・発信を行い、納得感のある税・社会保障制度を構築していく必要があると思います。[聞き手]財務総合政策研究所総務研究部主任研究官 大西 宏典(写真右)民間シンクタンク勤務を経て、2021年に財務省へ入省しました。2022年から客員研究員、2023年から主任研究官として、財務総研の様々な研究や研修の運営に従事しています。財務総合政策研究所総務研究部研究員 伊藤 菜々子(写真左)2021年に第一生命保険株式会社へ入社し、支社勤務や新卒採用業務等を経験してきました。2024年から財務総研に出向し、最初に取り組んだ業務がFR第157号の刊行でした。PRI Open Campus ~財務総研の研究・交流活動紹介~ 39過去の「PRI Open Campus」については、 財務総合政策研究所ホームページに掲載しています。https://www.mof.go.jp/pri/research/special_report/index.htmlPOLICY RESEARCH INSTITUTE, Ministry Of Finance, JAPAN財務総合政策研究所

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