ファイナンス 2024年12月号 No.709
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コラム フィナンシャル・レビューとは1.本特集号の狙い・注目点財政・経済の諸問題について、第一線の研究者や専門家の参加の下に、分析・研究した論文をとりまとめたものです。1986年から刊行を続けており、2022年12月には通巻第150号を迎えました。4回程度、「フィナンシャル・レビュー」(以下、「FR」)PRI Open Campusでは、2024年11月に刊行された、「中国―習近平体制第Ⅲ期が直面する内憂外患とその財務総合政策研究所(以下、「財務総研」)では、年という学術論文誌を編集・発行しています。今月の対応策」をテーマとしたFR第158号について、責任編集者を務められた田中修財務総研特別研究官(中国研究交流顧問)にインタビューを行いました。本特集の狙い・注目点、それぞれの論文の読みどころに加えて、中国経済の課題と展望、中国経済研究の面白さなどについて、「ファイナンス」の読者の皆様にご紹介します。財務総合政策研究所 総務研究部 国際交流課 課長 田畠 秀高財務総合政策研究所 総務研究部 国際交流課 研究員 千葉 芽生田畠国際交流課長:フィナンシャル・レビューにおいて中国特集号が組まれるのは今回が4回目になりますが、田中特別研究官は、初回刊行時(2009年9月)から一貫して責任編集者を務められてきました。前回刊行時(2019年8月)以降、中国経済はゼロコロナ政策の失敗、不動産市場の低迷などを背景に厳しい局面に入っております。異例の三期目に入った習近平政権の経済運営は、国内外から高い注目を集めていると思いますが、本特集号の狙い、注目点を教えて頂けますでしょうか。田中特別研究官:振り返ってみますと、フィナンシャル・レビュー中国特集号は、リーマン・ショック発生時の経済混乱への対処として打ち出された中国の経済対策について解説を行ったことからスタートしました(第1回目は、2009年9月刊行)。第2回目以降は、2012年に発足した習近平政権の政策、課題の分析を行ってきました。まず、第2回(2014年8月)は、習近平政権発足後の2013年の中国共産党18期中央委員会第3回全体会議(以後、「三中全会」)において改革の全面深化に関する青写真が 88 ファイナンス 2024 Dec.[プロフィール]田中 修 財務総合政策研究所特別研究官(中国研究交流顧問)東京大学学術博士。1982年東京大学法学部卒業後、大蔵省入省。在中華人民共和国日本国大使館参事官、財務省主計局主計官(内閣、司法・警察、財務係担当)、財務省財務総合政策研究所副所長兼税務大学校校長などを経て、2017年より現職。フィナンシャル・レビュー特集「中国―習近平体制第Ⅲ期が直面する内憂外患とその対応策」の見所~責任編集者 田中修特別研究官に聞く~38PRI Open Campus~財務総研の研究・交流活動紹介~連載PRI Open Campus

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