ファイナンス 2024年12月号 No.709
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SPOT スズキのつぶやき学生だからさ。受験しない友だちは、好きに遊んでて、僕も一緒に遊びたかったたし、そこまで受験に必死になれなかった。」「中学受験に比べて、高校受験は、自分でやろうと思ったことだから、モチベーションが違った。」「今振り返れば、中学受験での積み重ねがあったからこそ、高校受験の結果につながったと感じてはいるけど。」「ただ、中学受験を止めたいって、親に言えなかったことは・・・僕はなんとか乗り切れたけど、乗り切れない子もいるはず。小学生なんだから。だから、本人が止めたいって思ったら、それがどんなに受験の直前だったとしても、止めたいって言い出せる状況にしてあげるべきだ。それだけは伝えたい!」とのこと。ここでの連載終了後もスズキ、実は場所を移して子育て日記を続けてきました。なぜなら、たとえ限られた時間でも、その時々の想いで、子どもたちと向き合っているはずなのに、それを子どもたちに伝えられないばかりか、時の経過とともに自分でも想いを忘れてしまうから。2号の話を聞いて、受験の頃の日記を見たら・・・なんだか余裕のなさそうなスズキがいました。小6は進行管理も複雑で、みんなが必死になる中、成績を上げるのは至難になって、本人も周りも、神経をすり減りがち。でも、当時のスズキ、自分の余裕のなさを自覚していたか、疑わしい。その結果、2号を追い詰めることになったのは、明らかに失格だと後悔しても、先たたず。ただ、2号が、そんなことを感じていて、時が経ってから、こんなふうに自己分析して振り返るなんて、想像してなかった。受験というのは、子どもたちにとって、大切な節目であるけれど、あくまで通過点なんだなぁ。スズキが学んだことは、結局、仕事と子ども、自分、家族、その他、全部はムリだってこと。だから、自分の中の優先順位を考えておかないと、どこかでひずみが生じてしまう。今どき、こういうとブラックな印象になりかねなくて表現が難しいのですが、わが社には、いつも全力で仕事のことを考えられる「キラキラ」した人たちが、一定数います。ここぞの仕事は、彼らに支えられていると思う。でも、スズキには、というか、スズキの場合は、子どもたちがいて。子どもたちがいるから、とまでいうと、言い訳がましいのだけれど、でもやっぱり、「キラキラ」メンバーと同じようには働けなかった。いや、働かなかった。当初、想像していたよりずっと長い育児期間。その間に重なり続ける経験不足。結果、スズキは今でも、判断に迷うし、自信がないことも多くて、「キラキラ」メンバーのようにはいきません。だけど。今、子育てと仕事の両立で、毎日、気を張りつめている方々に伝えたい。仕事は、多少のことは後で補う機会をもらえることがあります。もしくは、補ってくれる同僚がいます(深謝)。さらに、時が経てば、自分が補う側にまわり、恩返しの機会もあります(貸借の相手がズレても問題なし!)。だから、今、自分ができることを、借りられる手は借りながら、ひとつずつやればいいと思います。むしろ、常に少しは余力を残して、子どもや自分の突発事態に備えてほしい。子どもたちって、本当によく親のことを見ていて、親の張りつめた気持ちは、子どもからも余裕を奪ってしまうから。もうひとつ、子どもたちは、2度と小さくならないから、ぜひ今を大切に。ちびっこだった1号・2号も、気づけば、元ちびっこになっていて。特に、スズキにとって1号は、独立後の歴史そのものと言っても過言ではないけれど、この度1号、ついに20歳を迎えました。身体が大きくなっても、スズキには、ちびっこの時代の面影が強い。時間も忘れて、ちびっこ時代の写真に見入っていると、「ただいまー」という、低い声で現実に戻ります。もうあと何回、「おかえり」って言えるのかなと、急にしんみりする、今日この頃。表で裏で、支えてくださった方々に、心から感謝いたします。ファイナンス 2024 Dec. 61

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