ファイナンス 2024年12月号 No.709
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SPOTお久しぶり・・・の方は、きっともう少なくて、初めましての方ばかりかもしれません。スズキが、ちびっこ1号・2号とのよしなしごとを、そこはかとなくかきつくってお届けしていた連載を終えたのは、その間、子育てをとりまく世間の事情は、しかるべく変わったことも、そっちに行くの?と思うことも、驚くほど変わらないことも、それぞれあるわけですが、総じてみれば、女性でも男性でも、子どもを産むにしても産まないにしても、選択肢は増えた。そのことで、従来の課題を解決しきる前に、さらに次の課題が出てくる悩ましさもありますが、昔のままよりはいいのでしょう。スズキは、周囲の多大なるサポートのおかげで、時代の流れより少しだけ早めに、財務省で働きながら、子どもたちを育ててきました。10年前の連載当時はマイノリティでしたから、財務省で働きながら子育てするって、例えばこういうこと、と発信する意義があったように思っていましたが、今では、そういう方も増え、子どもを持つも持たぬも含めたone of themですから、スズキの話を紹介する意義は、低下したかもしれません。でも、この前、2号が、問わず語りに「中学受験の話。」をしていまして。今年も、シーズン佳境ですね。前回の受験率、首都圏では、過去最高の18%だったとか。地域差もあるので、1号や2号のクラスはもっと多かった気がします。その中に、自らの意思で中学受験したい!と言っている立派な子が、どれほどいるのかわかりませんが、学童クラブは小3で一区切り。小4はまだ、家の鍵を持たせて、毎日、1人で自宅に留守番させるには、心許ない。事件事故の心配もそうだし、平穏な1日でも、積極的に宿題や勉強をする子はたぶん少数派で、ゲームやスマホ三昧になってしまいかねない。そんなとき、とりあえず、預けてもらえれば、勉強させますよ的な塾の勧誘に、どこか負い目を持ちながら働く親たちは、とても心惹かれてしまうのではないでしょうか。周りの子が塾に行き始めると、なんとなく一緒に、と拡がったりして・・・。こうして特に都市部では、足を踏み入れがちな中学受験の世界。ただ、経験者の方はお気づきのように、現実は、塾がいうほど甘くなく、しっかり親も試されます。少なくとも、モチベーションの維持(というかフラストレーションの発散)と、大量の宿題やテストの進行管理とか。中学受験特有のヒエラルキー的なモノを感じたのは、スズキ自身が中学受験をしていないからかもしれませんが、スズキにとって、その特殊な世界を生きるちびっこたちの進行管理をするのは容易ではありませんでした。まして、内容に踏み込んでのフォローなんて、とてもムリ。反抗期とも重なって、スズキの場合、親子間の摩擦が、最も大きくなった時期だったと思います。自己表現が得意な2号は、どちらかと言えば中学受験に向いている気質だったように思いましたが、コロナ起因の事情も色々あって、ヒエラルキー的な結果には、あまり結びつかなかったかもしれません。それでも、小学校のときは、親の都合で参加できなかったサッカーを部活でやったり、文化祭を楽しんだり、仲のいい友達ができたり、2号も、それなりに中学生活を楽しんでいたと思います。その後、再び受験をする道を選び、別の高校に進んだ2号ですが、曰く、「中学受験は、つらかった。」と。「小6の秋の模試で、成績が急に下がったでしょ?あのとき、ほんとは受験を止めたかった。でも、親にそう言うなんて、ほんとムリだった。」「成績が下がったのは、自分が受験をナメてたからだけど。でも、小2015年6月。もう、10年近くも前ですね。 60 ファイナンス 2024 Dec.スズキのつぶやき~子どもの子育て日記

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