ファイナンス 2024年12月号 No.709
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SPOT 図表13 JBICの業務運営の原則図表14 JBIC等によるリスクマネーの供給拡大(JBIC法改正の概要)1.改正の趣旨津田尊弘課長に聞く、国際金融と経済協力■ 業務運営の原則政策金融機関として、以下を旨としつつ、国内外の経済・金融情勢等に即応して迅速・的確に、政策上必要な業務を実施します。政策金融に求められる役割を適切に果たすべく、国際金融分野における民間金融機関の状況をふまえ、その補完に徹します。法律の求めに従って、収支の健全性の確保に努め、その金融判断にあたっても、融資等の回収の見込みについて十分な審査を行うよう努めます。業務の的確な実施および海外での効率的な資金調達のため、これまで築いてきた国際的な信任の維持・向上に努めます。国際金融に関する専門性と主体性を発揮し、一貫した体制のもとで、円滑な業務の実施に努めます。(出所)国際協力銀行(出所)財務省*9*9□ 民業補完□ 収支相償・償還確実性□ 国際的信用の維持・向上□ 業務の専門的・主体的な遂行民間の資金・ノウハウを活用した海外インフラ事業等について、日本企業の海外展開をより一層後押しするため、株式会社国際協力銀行(JBIC)の機能を強化する。2.改正の概要(1)JBICによる更なるリスク・テイク・ 期待収益は十分だがリスクを伴う海外インフラ事業向けの貸付け等を行う「特別業務」を追加(「一般業務勘定」と区分して経理)する。・ 特別業務については、必要な財務基盤を確保の上、「収支相償原則」は維持しつつ、個別案件ごとの「償還確実性」要件は免除し更なるリスク・テイクを可能とする。(2)JBICによる現地通貨建て融資の拡大・ 現地通貨調達方法として、銀行等からの長期借入れを解禁することにより、途上国のインフラ事業で需要が大きい現地通貨建ての融資を拡大する。(3)JBICによる支援手法の多様化・ 海外インフラ事業に係る銀行向けツー・ステップ・ローンや社債等の取得を可能とする。・ 日系現地法人等の海外における製品等の販売支援、国産設備の海外向けのリース事業支援、いわゆるイスラム金融による支援を可能とする。*9) https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11299818/www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_filp/proceedings/material/zaitoa281026/zaito281026_1-1.pdfファイナンス 2024 Dec. 21

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