ファイナンス 2024年12月号 No.709
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連載各地の話題 敦賀市©OMA無断複製転載を禁止します。金ヶ崎エリア(イメージパース)敦賀市では、北陸新幹線敦賀開業に向け、敦賀駅前に市民の普段使いの場にもなり、観光客の受け皿にもなる多様な機能を備えた新たな交流拠点を官民連携により整備しており、開業から半年経過した今も駅前周辺は変わらず活況を呈しています。開業効果による賑わいを持続させ、また市内全体に効果を波及させるべく官民による各種取組を継続しているところであり、福井財務事務所としても今後の敦賀市のまちづくりに大いに期待しています。地方創生コンシェルジュ北陸財務局福井財務事務所長 青木 雅信「金ヶ崎周辺魅力向上デザイン計画」を策定したとこそして、港周辺の金ヶ崎エリアなどが挙げられる。そのうち、敦賀の代名詞ともいえる「鉄道と港のまち」の舞台となった金ヶ崎エリアについて紹介したい。冒頭でも述べたとおり、港(金ヶ崎エリア)は、古くから国際交流の舞台でもあった。ユダヤ難民やポーランド孤児を受け入れた人道の港のエピソードや歴史的な鉄道遺産が集積する場所である。敦賀らしさともいえる歴史や文化が眠る金ヶ崎エリアは、長い間、議論の遡上にあがっていた。そして、北陸新幹線開業を契機にさらなる魅力あるまちづくりへとして動き出し、商工会議所、市、県が連携し、令和5年11月にろである。そこで示すデザインイメージを手掛けたのは、世界的な設計事務所OMAニューヨーク事務所代表の重松象平氏である。検討中の計画案としては、市内に不足するラグジュアリー層を取り込むためのホテルに加えて、スイーツ、ベーカリー、レストラン、マルシェなど、民間活力を導入した賑わい拠点の整備となっている。それだけではなく、敦賀の歴史・文化遺産を包摂したランドスケープデザインとし、既存の点在する観光施設も含めて、一体感のある回遊空間となる予定である。細かな点は、これからの検討次第で変更もあるが、過去、国際的な交流の受け皿として賑わい隆盛した港エリアを、「世界と未来に開く鉄道と港のまち」として、再び創生するまちづくりを目指している。ローカルとグローバルが交差する場所に置かれた交流の特異点として、市民も来訪者もくつろげる豊かな場所になることを願っている。 98 ファイナンス 2024 Dec.北陸新幹線敦賀開業を契機とした 官民連携によるまちづくりへの期待!

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