江差税務署 総務課長伊藤 和美現庁舎ジャンボコロッケ作成の様子 ファイナンス 2024 Nov. 91江差税務署は北海道檜山地方のうち江差町、上ノ国(かみのくに)町、厚沢部(あっさぶ)町、乙部(おとべ)町及び奥尻(おくしり)町の5町を管轄しており、管内面積は約1,400km2で東京都の23区と26市(町村と離島を除く)を合わせた面積と同程度ですが、管内人口は2万人を下回り札幌国税局管内で最も管内人口が少ない税務署です。はじめに江差(えさし)税務署は北海道檜山郡江差町に所在、北海道南西部の日本海側に位置し、北海道では函館市、松前町と並び最も早く開けた地域の一つとして知られています。江戸時代にはニシンの漁場や北前船による交易の中心港で「江差の五月は江戸にもない」と謳われるほど栄えていたといわれています。経済・産業江差税務署管内の産業は農業・漁業を中心とする一次産業が主体であり、農業関連では、厚沢部町が馬鈴薯「メークイン」の日本の発祥地とされています。厚沢部町では、毎年夏まつりにおいてメークインを使用したジャンボコロッケを揚げており、令和4年7月には総重量279kgのコロッケが作られ、ギネス世界記録に認定されています。漁業においては、現在も道内屈指の漁場といわれ、イカ、ウニ、アワビをはじめスケソウ、鮭漁などが盛んです。また近年は漁業者の収入安定を図ろうと各種養殖にも注力し、令和4年からはトラウトサーモン(ニジマス)の養殖に取り組み「江さしっこ繁虎(しげとら)」としてブランド化を図っており、ふるさと納税の返礼品にもなっています。なお、繁虎の由来は、江差に伝わる民話の登場人物でとんちの名人「繁次郎」の繁とトラウトサーモンのトラに虎の漢字を当てたものだそうです。その他の事業として、現在国が再生可能エネルギーの普及に向け導入を目指している「洋上風力発電」において、檜山沖が「有望区域」に指定されました。檜山地方は1年を通して風が強く、特に冬期間は季節風(江差では「たば風」と呼ばれています)の影響で全国でも有数の強風地帯となっています。現在は洋上風力発電機が設置されるためにもう一段階上の「促進区域」の指定に向けて各種調査が進められています。北海道開拓の礎 〜北海道文化の発祥の地〜江差町
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