FOREIGNFOREIGNWATCHERWATCHER 1 1 はじめに*1私は、2022年7月より、国際通貨基金(International Monetary Fund:IMF)の能力開発局(Institute for Capacity Development:ICD)に出向しています。IMFでは、国際通貨制度の安定性を確保することを目的として、サーベイランス、融資に加えて、能力開発(Capacity Development:CD)を中核的な業務の一つに位置付けており、能力開発はIMFの直接的な国別活動に関する支出の3分の1を占めています(図表1参照)。その業務遂行にあたり、融資や投資勘定等を通じた収入に基づくIMFの内部資金だけでなく、パート図表1:主なIMF活動の支出*1) 本稿の内容は、筆者が参考文献等を元に個人的に執筆したものであり、誤りがある場合は筆者個人に責任があります。また、本稿は筆者の個人的な見*2) 直近3年間(IMFの2022-24年度)の貢献額では、日本、欧州連合(EU)、中国が上位3か国。近年では伝統的な援助供与国(OECD・DAC加盟国)解であり、筆者の所属する組織を代表するものではありません。のみならず、新興国や民間財団からの貢献も増えています。国際通貨基金(IMF)能力開発局 シニアテクニカルアシスタンスオフィサー 川野 晋平*1 72 ファイナンス 2024 Nov.ナー国・機関が重視する特定の地域やテーマに関しては外部資金*2を調達・活用することで、加盟国の能力開発のニーズに応えることを可能にしています。IMFは加盟国からの要請に基づき、持続可能かつ包摂的な経済成長に向けた各種制度の強化を支援し、気候変動、デジタルマネー、ジェンダー等の新たな課題にも対処しています。政府当局のキャパシティ等の現状も踏まえ、技術支援もしくは研修という形で、IMF本部職員、短期・長期専門家、世界17か所に置く地域能力開発センター(Regional Capacity Development Center:RCDC)を通じた支援が、実地もしくは遠隔で実施されています。受益国の大勢は、低所得国・脆弱国が占海外ウォッチャーIMFの能力開発業務 ~結果重視マネジメント(RBM)の取り組み~ ¢£¤¥¦§¨©¡&k !¸¹ ®¯o ª«¬%&' ()*+&,%&-./012 34"*5678& 9:;<=>?@ABCq & !_ ÿ ÿiSTU !_vghijÿSTU vw_xy &klmQR'STUVWX0YZ[\']^_`abcd"ef[ghij&klmnop&_ ghijqr s-./0[tu s[vw_xyoz { |}x~q0lm"ef[ !"#$
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