ドイツ日本カナダ英国シンガポール豪州中国韓国スウェーデン米国フランス企業労働者(図表9)訪日外国人 利用した決済手段利用意向(図表14)デジタル給与の (図表15)利用者の チャージ方法コラム 経済トレンド 125(※)2024年インバウンド消費額(下期)は2024年7月単月 2024年訪日外客数は2024年1-7月の実績値(出所)日本政府観光局「訪日外客統計」、財務省「国際収支統計」、株式会社日本総合研究所「インバウンド需要の拡大と訪日外国人の決済動向」、観光庁「訪日外国人の消費動向2023年年次報告書」、株式会社Gakken「https://gkp-koushiki.gakken.jp/2024/01/26/66844/」、一般社団法人キャッシュレス推進協議会「https://paymentsjapan.or.jp/news/2022年の世界主要国におけるキャッシュレス決済比/」(※1)資金移動業者が破綻した場合には、資金移動業者と保証委託契約等を結んだ保証機関により、労働者に口座残高の全額が弁済される仕組みとなっている。(※2)国税庁「民間給与実態統計調査」(2023年)における民間給与所得者数(6,068万人)及び、現在導入されているPayPay給与受取の上限額(20万円/月)に基づいて試算。(出所)株式会社大和総研「デジタル給与解禁後の展望と金融ビジネスへの示唆」、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「キャッシュレス決済の利用状況に関するアンケート結果」(図表8)訪日外客数とインバウンド消費額(兆円)(万人)(図表12)デジタル給与 イメージ・訪日外客数は、コロナ禍前の水準を上回って推移している中、訪日客1人当たり消費単価も増加しており、インバウンド消費額は過去最高の水準にある(図表8)。その中、政府は「観光立国推進基本計画」(2023-2025年度)として、質の向上に重きを置き、一人当たりの旅行消費額単価を20万円にする政策目標を掲げている。・訪日外国人の決済手段としては現金が主流であり(図表9)、訪日外国人が旅行中に困ったこととして、「公共交通の利用」や「その他の決済手段」、「クレジット/デビットカードの利用」が挙げられている(図表10)。キャッシュレス化を推進することにより、両替や毎回の支払いの手間が削減出来れば、キャッシュレス取引に慣れた訪日外国人の消費を促し、旅行消費額が増加すると考えられる(図表11)。・デジタル給与(銀行口座を介さず、スマホ決済アプリ等のアカウントに給与を振り込む仕組み)が、デジタル社会に対応する給与の新たな支払い手段として、日本では今年度から導入されている(図表12)。・即日払い、複数回払いが可能といった利点から、短期的な人手の確保や正社員の副業に好影響を与えると考えられる。他方で、企業側は新たな給与システム導入に伴うコスト負担増、事務作業の複雑化等が予想される(図表13)。・デジタル給与の利用意向は、4人に1人程度(図表14)と考えられ、市場規模としては最大36兆円程度(※2)と試算される。・デジタル給与の導入により、給与が直接決済アプリに入金されることで、クレジットカードや銀行口座等からのチャージ(図表15)が不要となる。消費までが以前よりもシームレスとなるため、少額決済の利用機会が増加することが期待される。・スマホ決済アプリは少額での利用が浸透しているが、ミニアプリの利用や家賃、光熱費等のライフライン費用を含めた高額での支払いシーンが増える可能性も考えられ、デジタル給与の普及は、日本のキャッシュレス比率を押し上げる要因となり得る。1920171820インバウンド消費額(上期)訪日外客者数(右軸)21デジタル給与(※1)企業銀行・証券等現金支払い(注)文中、意見に関る部分は全て筆者の私見である。インバウンド消費額(下期)3,5003,0002,5002,0001,5001,0005000222324メリット給与振込手数料の縮減企業イメージ向上、採用ブランディング労働者チャージする手間の省略スポットワーカー等の利便性向上(※)複数回答、N=891(2023/12/13-12/25)(図表10)訪日外国人が旅行中に困ったこと40(%)(図表13)デジタル給与の メリット・デメリットWi-Fi環境施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない多言語表示の少なさ・わかりにくさ公共交通の利用ゴミ箱の少なさその他の決済手段(モバイルペイメント等)クレジット/デビットカードの利用喫煙できる場所両替困ったことはなかった鉄道の割引きっぷその他10デメリット新しい給与システムの導入コスト給与支払先追加による事務負荷75%受取口座残高は上限100万円以下デジタル残高には利子が付かない給与全額をデジタルでもらいたい給与の一部をデジタルでもらいたいこれまで通りがよい2030現金クレジットカード交通系ICカードモバイル決済デビットカード8%クレジットカード17%ATM、コンビニ等フリマ等の売上金100806040200(※)N=9,727(※)複数回答、N=38250100(%)0065432100 2023年204060(%)銀行口座カード後払いポイントキャリア決済口座引落とし(※)N=54,569(図表11)国別キャッシュレス決済比率(%)ファイナンス 2024 Nov. 67インバウンド消費と決済の動向デジタル給与について
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