ファイナンス 2024年11月号 No.708
64/106

ジョイントコースやJISPAに所属する学生と黒田前総裁との記念撮影黒田前総裁による講義の様子石田良室長による講義 60 ファイナンス 2024 Nov.2. ジョイントコースにおける試み: 黒田前日銀総裁のご講演3. ジョイントコースにおける試み: 財務省訪問前述のとおりジョイントコースでは公共政策を担う実際の政策担当者との交流を実施していますが、本年度の具体的な取り組みを紹介します。本年は2024年7月10日、本学にて黒田東彦前日本銀行総裁が「財政金融政策に関する私の経験」のテーマでご講演されました(その詳細は2024年10月・11月の財務省「ファイナンス」を参照)。その際、黒田前日銀総裁には、ジョイントコースの学生に加え、「日本-IMFアジア奨学金プログラム(JISPA, Japan – IMF Scholarship Program for Asia)」を通じて本学に留学中の奨学生などに対し、交流の機会を設けてほしいという依頼をしました。黒田前総裁のご厚意で、講義前にお時間をいただき、学生との交流の機会をいただきました。黒田前総裁は、ブレトンウッズ体制の終焉(ニクソン・ショック)、オイルショック、バブル崩壊、パンデミックといった歴史に残る大事件を振り返り、政策決定者として歴史に学びながらいかに迅速かつ適切に対応することが重要かということを、財務官僚、アジア開発銀行総裁、日本銀行総裁としての長年にわたる豊富なご経験に基づく説得力のある視点でお話くださいました。学生から積極的に質問が寄せられ、それに対して丁寧に見解を共有くださいました。東大におけるジョイントコースでは、昨年から、財務省における見学を実施させていただいています。2024年度については、まず、石田良室長のガイドにより財務省を見学しました。その後、石田室長および浅見万葉課長補佐に講義いただきました。石田室長は前述の黒田東彦前日本銀行総裁の特別講義を念頭に、

元のページ  ../index.html#64

このブックを見る