図表2 ダブル・ディグリーのイメージ図表3 東京大学における提携校のイメージ東京大学におけるキャンパス・アジアの取り組みについて (出所)東京大学(出所)東京大学ファイナンス 2024 Nov. 59東大におけるジョイントコースの試みを軸としてプログラムを運営しています。典型的には、図表2にあるとおり、東大で1年間勉強した後、例えば、提携校である北京大学、ソウル大学校、シンガポール国立大学に1年滞在して、東大だけでなく、それらの大学で修士号を取得するというプログラムになります。東大ではこのダブル・ディグリー・プログラムにおいて、例えば、東大で1年過ごしたあと半年ソウル大学校に留学し、さらに1年北京大学に留学するという合計2.5年のプログラムを主軸としています。それに加え、2年間で修士課程を修了したい学生に対応するため、例えば、1年で2か国、提携校へ留学することも推進しています(例えば、1年東大で学んだあと、半年、北京大学に行き、その後半年シンガポール国立大学に行くプランです)。日本人学生が海外の大学に留学する際、特に米国を中心に学費が高い点がネックになりますが、北京大学及びソウル大学校へ留学する学生は、東大の学費と同じ学費で留学が可能になっています。また、大学から寮が提供される点や、日本学生支援機構(JASSO)の重点政策枠であることで奨学金が得やすいなど、様々なサポートがなされています。東大におけるキャンパス・アジアの試みとして「CAMPUS Asia Joint Course」(ジョイントコース)と呼ばれる講義を実施しています。これは東大を軸に、提携校で協力して実施している講義になります。本講義ではキャンパス・アジアに所属する学生の交流を促すことを軸にしており、政府訪問を通じた政策担当者との交流、グループ・ディスカッション、フィールドトリップなどにより構成されています。この講義は、キャンパス・アジアに所属する学生だけでなく、東大の公共政策大学院に所属する学生に開かれています。特に、本講義を受講することにより、東アジアの学生との交流が進むこと等について、パリ政治学院(シアンスポ)など欧州の大学でも口コミで広がり、東アジアだけでなく、欧米の留学生からも人気が出てきています。その結果、日中韓シンガポールにとどまらず、東アジアからの留学生、さらに、欧米の留学生の交流が実現しています。
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