源氏物語とその世界(上)(主な参考文献)文芸的な余りに文芸的な - 国立国会図書館デジタルコレクション(ndl.go.jp)「『書かない』恩師 のこした言葉」2024年10月20日 読売新聞朝刊 25面「日本の歴史5 王朝の貴族」土田直鎮、中央公論新書、1973年「百代の過客」、ドナルド・キーン、朝日新聞社、1984年「天皇の歴史3 天皇と摂政関白」、佐々木恵介、株式会社講談社、2018年「日本の歴史4 平安京 北山茂夫、中公文庫、2004年『源氏物語の舞台装置 平安朝文学と後宮』、栗本賀世子、吉川弘文館、2024年「新潮日本古典集成(第八二回)大鏡」、石川徹校注、株式会社新潮社、1989年「新潮日本古典集成(第五四回)蜻蛉日記」、犬養廉校注、株式会社新潮社、1982年「現代語訳 小右記五 紫式部との交流」、倉本一宏編、吉川弘文館、2017年「新訳源氏物語 上巻」、与謝野晶子訳、大鐙閣、1925年「源氏物語 愛蔵本」 巻一〜巻八、巻二十四、巻二十六 谷崎潤一郎譯 山田孝雄校閲、中央公論社、1939年囲碁の歴史|囲碁学習・普及活動|囲碁の日本棋院(nihonkiin.or.jp)「源氏物語」 巻一〜巻四 瀬戸内寂聴訳、講談社、1997年「現代語訳 日本の古典5 源氏物語」円地文子、株式会社学習研究社、1979年雅楽 GAGAKU|文化デジタルライブラリー(jac.go.jp)きものの文様【青海波(せいがいは)】名前の由来は雅楽の装束。水面の波頭を表現した文様(kateigaho.com)能装束名品集〔正〕 - 国立国会図書館デジタルコレクション(ndl.go.jp)「講座 食の文化第二巻 日本の食事文化」、石毛直道監修、財団法人味の素食の文化センター、1999年寛平遺誡 - 国立国会図書館デジタルコレクション(ndl.go.jp)官職要解 修訂(7版) - 国立国会図書館デジタルコレクション(ndl.go.jp)文学の寺|大本山 石山寺 公式ホームページ(ishiyamadera.or.jp)34katsurarikyu.pdf(kunaicho.go.jp)「紫式部日記・紫式部集」、山本利達校注、株式会社新潮社、2016年「栄花物語全■釈(一)」、松村博司、株式会社角川書店、1976年「権記上」、藤原行成、全現代語訳倉本一宏、株式会社講談社、2011年 ファイナンス 2024 Nov. 57服と同時に四位か五位を授けられて、しかるべき官職につくのが常例」で「当時の上流貴族はまず学校に入ることは無かった…。当時は令制に基づく大学があって、…学生がいたのであるが、それらはいずれも…中流以下の連中であった。上流貴族は黙っていても家柄の力でちゃんと中等以上の官職にありつけることになっているから、ガチガチと受験勉強をしなくても教養を豊かにしておけばよい」のだという。その間、祖母(大君)の家で一緒に育っていた夕霧と、入内させようと大切に育てていた娘が親しくなっているのを女房たちの噂話を聞いた内大臣(かつての頭の中将)が大君にクレーム。姫君の乳母も「『せっかくの御結婚のお相手が六位風情ではねえ」と、ぶつくさいう」(瀬戸内寂聴訳)。父が結婚に反対と言えば、「栄花物語」によると、道長は、源雅信左大臣「の御娘二人―それは嫡妻腹で、大そう大切になさって将来の后と思い申し上げておられる姫君なのであるが、…その姫君の一人をぜひ妻に欲しいと心に深く思い申し上げなさって、そぶりを顔色にお出しなさった。しかし、左大臣は『ああ気違い沙汰だ。もっての外の事だ。誰が現在あんなに口端の黄色い青二才連中を婿に迎えて出入りさせようか』といって、絶対お聞きにならないのを、母上は普通の女と違って、大層思慮も深く才気が勝っておられて『どうしてあの君を婿に迎えないことがありましょうか。時々祭りや行列などの見物に出て見るのに、あの君は並々でなく見える方です。文句を言わず私にお任せなさいませ。』と申し上げなさった」、「このようにしてこの母上は、三位殿の御事を気にいられて、もっぱらしたくに熱中されるのを、殿は得心できない気持ちでいらしたが」、母上は「ひたすらこの三位殿を、したくをととのえて婿にお迎えなさった。その間の有様は、つとめて意を用いるというように重々しく取り扱い申し上げられたので」、摂政殿(父兼家)は、『官位などまだ低い道長が、このような扱いを受けてみっともない事だ。どうしたものか」と思っておられた。」という。なお、道長の岳父源雅信が薨去したときは、「洛陽の士女は、その薨逝を聞いて、皆、恋慕した」と一条天皇の蔵人頭、藤原行成の日記「権記」は記す。その間、昔心惹かれた舞姫に「あの当時の乙女子であるあなたも今では歳をとったのでせうね、古くからのあなたのお友達である私も齢を重ねたことですから」(谷崎潤一郎訳)との手紙を出した源氏の君は、やがて、六条京極あたりに新邸を造営し、別々に住んでいる女君たちを一緒に住まわせる。どうやって広大な邸宅を造営するかは物語には出てこないが、「王朝の貴族」によると、「このような大造営の場合には、必ず諸国の受領にその工事の割り当てが来るのが例であった。…無事に割り当ての工事を完成すれば、当然功績の一つになって、位なり官位が授けられる。」という。物語は次回に続き、忘れられない夕顔の娘との出会いから。
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