ファイナンス 2024年11月号 No.708
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小■税務署 総務課長遠藤 佳奈美小■地方合同庁舎小■運河 96 ファイナンス 2024 Nov.数の港湾都市として発展してきました。北海道の中心都市である札幌市に隣接し、鉄道では札幌市から約30分でアクセスできる好立地です。明治期からの歴史的建造物や小樽運河などの風情ある街並み、小樽寿司屋通りに建ち並ぶ寿司店などは市内に100店舗を超え、現在は国内外からの観光客が訪れる観光都市となっています。北海道内の地名の8割がアイヌ語に由来していますが、小樽もまた「オタ・タル・ナイ(砂の中の川)」とアイヌ語に由来した地名です。小樽税務署は、平成22年の小樽地方合同庁舎の新設により現在の所在地に移転しました。現庁舎は、第一管区海上保安本部などが入居する重要な防災拠点施設であるとともに、観光スポットである小樽運河や倉庫群に近接する臨港地区にあることから、まちづくりや小樽港の景観形成に配慮された庁舎です。管轄地域は小樽市のみであり、管内面積は約243km2、管内人口は約10万人です。はじめに小樽税務署が所在する小樽市は、古くから北海道有観光客が日々訪れています。大正12年に完成した、全長約1キロの緩やかにカーブした運河沿いには、当時の趣を残した石造りの倉庫群が建ち並び、現在はレストランや美術館として活用されています。日暮れには63基のガス灯が灯り、ライトアップされた倉庫群を見ながら、昼間とは違った雰囲気を味わいながら散策することができます。小樽運河は、当時、北海道の開拓の玄関口として発展してきた小樽港沖に停泊する貨物船から、艀(台船)を使用し貨物を倉庫まで運び往来するために造られました。しかし、後に埠頭が数多く整備されると、運河はその役目を終え昭和41年には、道道臨港線を建設する都市計画により埋め立てが決定します。工事が進むに連れ一部の市民からは、運河保存の声が上がり昭和48年には「小樽運河を守る会」が結成されました。十数年に及ぶ論争の末、運河は一部埋め立てなどに小■運河小樽運河は庁舎から徒歩3分圏内に所在し、多くの運河の街 小■ 〜港湾都市から観光都市へ〜小■市

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