グアテマラ・1ケツァール銀貨(1925年銘:直径39.00mm、量目33.20g)特別展ポスター 68 ファイナンス 2024 Oct.テカでは神として崇拝され、その羽は高貴な人物しか身に着けることができませんでした。自由を奪われると死ぬという伝説があったことから、自由の象徴ともなりました。ケツァールはグアテマラの国鳥として、現在流通している通貨の単位になりました。コインとしては、1ケツァールが最高額面で、本展では1/4ケツァール貨なども展示していましたが、現在のグアテマラでは1ケツァールの100分の1をセンタボスという単位であらわし、1・5・10・25・50の各センタボス・コインが発行されています。ただし、表記する時はそれぞれ、ケツァールの頭文字をとって、Q0.01・Q0.05・Q0.1・Q0.25・Q0.5と表しており、また、裏面はすべて共通で、1ケツァール貨ともども、ケツァールの姿が描かれています。なお、1ケツァールには紙幣もあります。本展の周知活動本展も含め造幣博物館の特別展は小規模なものですが、せっかくの特別展であることから、できるだけ多くの方々に周知し、ご鑑賞いただきたいたいと考えています。また、多くの機関がそうであるように、造幣局でも、とりわけ若年層への広報に注力したいと考えていることから、周知方法も少し工夫をしてみました。まず、夏休み期間中の開催でもあり、子どもたちだけでなく、その保護者世代にも本展に関心を持ってもらえるよう、今回は館員が生み出した少しレトロな少女漫画風のオリジナル・キャラクター(かつては銀貨であり、今は桜が描かれている100円貨にちなみネーミングした、金髪の「白銀桜子(しろがねさくらこ)」さん等6人)を採用し、本展タイトルやポスター・チラシも「少女漫画風」にしました。特別展のPRとしては、今までにない取り組みであり、どのような反応があるものなのか、やや不安もありましたが、通常の記者発表のほか、造幣局公式SNSでの展開、近隣の小学校や地下鉄駅構内、関西の観光関係のウェブメディア、各地の図書館や博物館等に周知を行った結果、公式Xなどではポスターの写真とともに好意的な反応が得られたところです。そのほか、台風で臨時休館することもありましたが、期間中の週末・祝日には、「館内クイズラリー」やコイン製造のプロセスを疑似体験できる「缶バッジ製作体験」、本物の寛永通宝等古銭を使用した「拓本体験」、学芸員や館長による「特別展ガイドツアー」を実施し、来館者に楽しんでいただきました。こうした取り組みが功を奏したのか、近隣だけでなく、海外や日本全国から来阪された旅行客など、ご家族連れを中心に老若男女、幅広い層の方々にご来館いただき、会期中の入館者数は、昨年同時期の特別展よりも4割以上増え、10,371人となりました。これからも博物館広報に工夫を重ねたいと考えています。
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