*14) RIETI EBPMセンター主催 令和5年度「EBPM推進のための検討会」とりまとめ *15) 「行政データの利活用とは〜税務データ共同研究関係者に聞く〜」財務省広報誌ファイナンス2023年7月号 *16) The 9th Tokyo Fiscal Forum「Strengthening Public Finance by Collecting and Spending Transparently and Ef■ciently」の開催について *17) https://www.mof.go.jp/pri/research/special_report/f10_29.pdfhttps://www.rieti.go.jp/jp/about/activities/24042201/第6回検討会で、英米の状況についての報告があったが、「英ではGovernment Analysis Function(政府内の分析専門公務員)として約17,000名が分析を支えている。」とのことである。https://www.mof.go.jp/pri/research/special_report/f10_21.pdfhttps://www.mof.go.jp/pri/research/seminar/tff2024.html(2)行政データを利活用した調査・研究(3)国際会議、シンポジウム(4)学術誌等の編集・発行 40 ファイナンス 2024 Oct.政策部局と連携した研究は、上述のように今後の進展が期待される分野である。ただ、筆者は、独立行政法人経済産業研究所EBPMセンター主催が開催した「EBPM推進のための検討会」*14に何度か参加したが、英米での分析に携わる人的資源の手厚さに驚愕したことも付け加えておきたい。なお、国税庁では財務総研に先駆け行政データの利活用について検討を行い、税務大学校において、税務データを活用した共同研究に取り組んでいる*15。平成26(2015)事務年度より、財務総研では、IMF財政局、アジア開発銀行研究所(ADBI)と共催して「Tokyo Fiscal Forum」を開催してきた。直近では、「透明で効率的な歳入確保と支出による財政の強化」をテーマとして、政策担当者や有識者を集めたフォーラムを令和6(2024)年6月5日及び6日に対面及びオンラインで開催した*16。今回で第9回目となった。写真1参照(写真1)TOKYO FISCAL FORUM フォトセッションの模様財務総研では、フィナンシャル・レビューを昭和61(1986)年から刊行を続けている。最近は年4冊程度を刊行している。財政・経済の諸問題について、第一線の研究者、専門家の参加の下に、分析・研究した論文をとりまとめたものである。令和4(2022)年12月に刊行された通巻第150号の記念企画はコロナ禍で遅れていたが、財務省広報誌ファイナンス2024年3月号で、「フィナンシャル・レビュー:振り返りと今後に向けて」*17との記事を掲載することができた。筆者も、河合正弘先生、吉野直行先生とのインタビューを担当した。お二人からは、それぞれ、財務省職員に対して、「私は国際局に2年おりましたので、職員の皆さんがしっかり仕事をされていることは知っています。しかし、どうしても特定の分野のことに集中してしまうので、もっと幅広いことを考えるような時間があってもいいのではないかと思っていました。もちろん特定の分野を掘り下げていくことは必要ですが、それを取り囲む全体像を理解し把握していくことも重要です。フィナレビを読んで、専門家や学者はどういったことを考えているのかを理解し、全体像を押さえてみることで、仕事への熱意ややり方が少し変わるかもしれません。また、職員の皆さんがフィナレビ向けの論文を書く機会がもっとあってもいいのではないかと思っています。論文を書くことで、様々な現象を論理的に整理し、さらにそれまで知らなかったことや気づかなかったことも取り込んで、データを駆使しつつエビデンスに基づいた結果を導き出し、政策的な含意をまとめることができます。財務省職員全体の知的レベルは高いわけですが、それをさらに向上させることができると考えます。」(河合)、「まず、財務省の中におられる方たちと学者が一緒に論文を書くことは良いと思います。通巻第26号の論文は、財務総研の研究員の方たちと一緒に書きました。また、財務総研と省内の各部局でうまくコラボレーションできると、財務総研の価値は上がると思います。現場が抱えている問題には、短期的に答えが必要なホットなトピックと、時間をかけて検討できるものとあると思いますが、前者については、その分野で専門家はどういった意見を持っているのか、財務総研がサーベイを提供す
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